おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2017.06.06column

京都民報に「国産アニメーション誕生100周年上映会」の様子を掲載していただきました

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諸々のことをこなすのに精一杯で、ツイッターでは、それなりに発信しているのですが、ブログ更新がままならず遅れ気味で申し訳ございません。

5月21日(日)に開催した「国産アニメーション誕生100周年上映会 下川凹天トリビュートアニメーション&現代のアニメーション作家たち」を無事終え、当日取材に来て下さった京都民報の記者さんが28日付けで記事にして下さいました。上手に纏めてくださって感謝しています。

昨年12月13日に「来年は国産アニメ―ション100年の節目を迎えるので、京都国際マンガミュージアムで草創期のアニメーションに関する催しがしたい。ついては、所蔵されているアニメーションをお借りしたい」ということで、同マンガミュージアムの應矢さんと一緒に来館されたのが上掲記事に載っている森下豊美さんと4月23日の催しで登壇して下さった新美ぬゑさんでした。二人ともまだお若い研究者。お話を聞いているうちにどんどん引き込まれていって「面白いから協力しましょう」ということに。

この二人が持ちかけた企画「にっぽんアニメーションことはじめ~『動く漫画』のパイオニアたち」展は4月6日に始まり、7月2日迄開催されています。ほとんど資料が残っていない状態の中から、新美さんが一生懸命資料を探索して、国産アニメーション草創期のことを調べ上げた成果が展示されています。まだご覧になっていない方は、ぜひとも足をお運びくださいませ。

DSC00989東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻を修了した森下さんは、展示で取り上げた4人のパイオニア、下川凹天、幸内純一、前川千帆、北山清太郎のうち唯一作品が見つかっていない下川を称賛して、自らも含む現代のアニメーション作家8人に呼びかけ、それぞれのイマジネーションで幻の下川作品を蘇らせたり、あるいは1915(大正4)年の漫画雑誌「東京パック」に掲載された下川凹天の漫画「芋川椋三とブル」を元にして作ったアニメーションを見せてくださいました。これらは京都国際マンガミュージアムでもご覧いただけます。

そのあと、8人の作家さんの個人作品11本も上映。それぞれプロとして活躍されている方の作品だったり、映画祭で受賞された作品などで、いずれも見応えがありました。

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これは4月23日の研究発表会でも見せていただいた大正から昭和にかけてのアニメーション制作者の関係/影響図。北山清太郎のみが今日に繋がっているというのがわかります。

このあと当館が所蔵している戦前のアニメーションの中から「お楽しみ国産動画を探せ!ライオン家庭フィルム編」として纏めた50作品(時間の関係から1作品30秒に揃えて編集)をご覧いただきましたが、それらを見ていると、この関係図に現れない無名の漫画家、アニメーション作家さんが、たくさんおられたのだということが容易に想像できました。

以前、委託されている戦前の手描き映画ポスター展をご覧になった鷲谷花先生が、「このポスターのサイズは紙芝居と同じ大きさだと思う。紙芝居だけでは食べていかれず、絵のうまい人はポスターを書いたり、雑誌の挿絵を描いたり、いろんなことを兼ね乍ら仕事して生活していたのではないか」というようなことをおっしゃっていたのを思い出しました。100年前、まだ「凸坊新画帖」と呼ばれていた時代、どこの誰が書いたともわからない作品の作り手がいて、日本のアニメーションの土台が築かれ始めたのだろうと思いながら聞いておりました。

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皆さんにお見せしているのが、日本独特の紙のフィルム「レフシー」。十数本ありますが、これらの作者も誰かわかっていません。

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みんなで「お宝探し」の気分で、次々映し出される50作品のアニメーションに目を凝らしました。いくつか作品名、作者がわかったものもありました。「癖のあるキャラは、雑誌などと見比べればわかるかも」「30年代初めはロシア人が敵として表現されている」「デッサンの自信のなさが現れている」「劇場でかかったフィルムの乳剤を洗い流し、再生フィルムにして再販売した先がおもちゃの会社だった」「チャンバラや漫画で人気のあるものがアニメーションになった」「買ってきたフィルムをトレースして作った粗悪なものも販売している」等々。

今回森下さん、新美さんと話していて驚いたのは、漫画の研究者もアニメーションの研究者も日本にはほぼいないということ。「映画」は横に置かれて、「漫画」「アニメーション」「ゲーム」が「クール!」と呼ばれて、もてはやされているというのに。日本アニメーション史の第一人者である渡辺泰先生も、「アニメーション草創期のことはわからない」とおっしゃっています。今後新美さんたちの研究に刺激を受けて興味を持つ人が現れて、少しずつでも研究が進み、いずれは、おもちゃ映画の世界も加えた詳細な「日本アニメーション史」が作られたら良いなぁと思います。

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最後に、残った方たちで、いつもの集合写真。参加者は思ったより少なかったのですが、関心を持つ人が集まってくださったので、内容は充実していました。お忙しい中来てくださった皆様、どうもありがとうございました。そして、4月23日、5月21日と、2回にわたって企画・進行をしてくださった森下さんに心から御礼申し上げます。ありがとうございました‼

 

 

 

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