おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2018.08.07column

7月13日中国の小学生団体見学の様子

前回は、中国の高校生が来てくれたことを書きましたが、先月小学生の団体も見学に来てくれていたので、今度はその紹介を。

7月13日、一昨年に続き2度目の中国の小学生12人と引率者3人の見学会をしました。題して「日本遊学スクール」。指導は、5月4日に続き、アニメーション作家秋山好正さんにお願いしました。

DSC05540 (2) 最初に所蔵する戦前のアニメーションを見てもらいました。この時は、通訳の女性がおられたので、助かりました。最近では定番になった『ブッシュ家のポンコツ自動車』は、この日も大受け。洋の東西、年齢も関係なく、「可笑しいものは、可笑しい」と大いに笑ってもらいました。今映っている作品は、『愉快な連中』。

DSC05531 (2)『愉快な連中』のようなおもちゃ映画を、手回しのおもちゃ映写機で上映する体験もして貰いました。短いものですが、端っこと端っこを繋いでループ式にしているので飽きるまで回して遊べます。好きな場面はゆっくり手回しても良いし、そうでない部分は早く回してなど、自分のペースでいくらでも見ることができます。戦後しばらくまで、裕福な家庭を中心に楽しまれていた文化です。「近所で『今日は幻燈するぞ』という声があったら、大人も子どもも皆で見に行ったものだ」と懐かしそうに教えてくださる方もおられます。

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今度は、光学玩具の一つ、ゾートロープの体験。スリットから覗くと、内側に描かれた帯状の連続した静止画が動いて見えます。アニメーションの原理がわかる玩具です。

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この日は、2時間程度の体験でしたが、マジックロール、ソーマトロープ、驚き盤、ゾートロープの4種類を体験して貰いました。時間内にできなければ持ち帰って仕上げて貰おうと思っていましたが、子どもたちは思った以上に手際が良くて、さっさと仕上げていきます。写真は、円盤の裏と表に絵を描いて、クルクル回すと二つの絵が一体化して見えるソーマトロープを作っている様子。

DSC05554 (2)この子は、見本に頼らず、自分で好きな絵を描き始めています。

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この9歳の男の子も、ゾートロープに自分で考えた木の絵を描いて、

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 クルクル回しています。「描けるかな」と周囲の大人は、よく心配しますが、子どもたちは想像の翼を広げて、それぞれ思うように描いて作品作りを楽しんでいます。

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この男の子は色を楽しむゾートロープに挑戦中。

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この子たちは、驚き盤を鏡に写して楽しんでいます。スリットから覗きながら円盤を回すと「あーら、ふしぎ、絵が動いて見えます」。大抵初めて体験する人は「あっ!」と驚くので日本では「驚き盤」と呼んでいますが、正式にはフェナキスティコープ。

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この子は、たった2枚の絵でアニメーションが楽しめるマジックロールを作っています。以上4種類のアニメ玩具作りを体験して貰いました。

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最後に交代しながら立体写真やムービー・ビューアーなどを体験。楽しい時間はあっという間に過ぎて、DSC05579 (4)

最後に恒例の記念写真を撮って、「ありがとう」と言ってお別れしました。午前中は京都大学を見学し、日中文化について勉強をし、午後はアニメーションの勉強をしてくれた子どもたち。でも、最初にみんなに「大きくなったら、アニメーションの仕事がしたい人?」と質問したら、手をあげたのは女の子一人だけでした。凄く興味があるわけではないけれど、集中して描くことができる賢い子どもたちでした。彼らが大きくなった時、果たして留学先に日本の大学を選んでくれるかしら?日本がいつまでも魅力的な国であってほしいものです。

 

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