おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.09.07column

「渡辺 泰展」始まっています。今朝の京都新聞に掲載していただきました!

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今朝の京都新聞市民版に、大きく「渡辺 泰」展のことを紹介していただきました。先日来、若手研究者の森下豊美さん、佐野明子さん、北波英幸さんの3人が力を合わせて、企画・展示してくださいました。今回は9月23日までの前期ということで「活動資料と海外のアニメーション~日本におけるディズニー受容と伝播」をテーマに展示しています。写真は1950年に公開された『白雪姫』のパンフレットなどが並ぶコーナー。この作品をご覧になった先生はすっかりディズニーの虜になり、この後アニメーション研究にのめり込んで、今日に至ります。このコーナーの一角には、ウォルト・ディズニー本人から先生に届いた礼状もあります。

もう一方の棚には、活動資料の一部が展示されています(写真は、そのまたごく一部)。

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記事に出ていた『桃太郎の海鷲』は、1942(昭和17)年11月11日号『映画旬報』を始めとして全部で9種類の雑誌広告を展示。その一枚一枚に先生の添え書きがしてあります。そこに描かれた絵はもちろんのこと、文言に、当時の社会が投影されていて、大変貴重な資料だと思います。真珠湾攻撃を題材にした山本嘉次郎監督『ハワイ・マレー沖海戦』(1942年)の子ども向け版として、軍が全面協力して製作されて、大ヒットしました。

左の『くもとちゅーりっぷ』(1943年)は、「日本アニメーションの父」と呼ばれる政岡憲三の代表作。戦時色がほとんどみられないこともあり、文部省推薦は得られませんでしたが、詩情豊かで、技術の高さや映像美が称賛されました。この広告に先生は「昭和19年8月15日大阪市役所市民局軍事課発行「銃後の大阪」第6報(戦地へ送る慰問袋に入れる)と添え書きをされています。本土にいる我が子や幼い弟や妹を思う兵隊さんは、この広告を見て、どのように思われたでしょう、心が痛みます。

作品自体はモノクロですが、広告はフルカラーで綺麗です。少国民に対して「銃後を守れ」と鼓舞する軍の意気込みが感じられます。

9月9日に研究発表してくださるうちのお一人、河田明久・千葉工業大学教授が編纂された『戦争美術の証言』によれば、『新美術』4号(1941年12月)に掲載された「絵画の技法を語る」座談会から、一流の画家たちでさえ相当材料難に困っている様子がうかがわれます。同じ年の1月に発行された『みづゑ』434号に掲載された「国防国家と美術ー画家が何をなすべきかー」(座談会)の出席者は陸軍省情報部員3人と批評家1人と編集者の5人。その中で、黒田中尉が「今映画のフィルム統制を断行したのですが各会社は実に憐れです。」と言うと、鈴木少佐が「『歴史』という国策映画を拵えたが、余り入場料がないというて会社で驚いて騒動が起こった。その反対に『支那の夜』が儲かったという。(略)『支那の夜』を歌った時にどれだけ亡国的思想感情を起こすかということを考えて貰わなければならぬ。所がまだまだ『支那の夜』を歌って居る。まだまだ国防国家体制になって居らぬと思う」と述べています。物資が不足する中にあって、わかりやすい媒体である映画の宣伝力の大きさに着目して、国防国家体制構築の為に、軍が率先して劇映画やアニメ―ション製作に協力したことを、これらのカラフルな広告を載せていることからも窺えます。

記事にも書いてある9日の「木村白山って、何者?」では、アニメーション研究の視点から渡辺先生にお話ししていただきます。先生手書きの「木村白山作品フィルモグラフィ―」(玩具映画を除く)が既に届いています。当日参加いただいた皆さまに参考資料としてお配りします。この日は各方面のご協力を得て、木村白山てんこ盛りで上映するスペシャル企画です。どうぞ、お見逃しなく‼

戦争記録画研究で目覚ましい活躍をされている河田先生からは、昭和初頭の博物館の目玉だったジオラマの背景画家として名が挙がる木村白山についてお話をしていただきます。そして、文献資料を研究する藤元直樹さんからは、これまで語られていた木村白山像とはひと味も、ふた味も違った見方を提示してもらえるはず。参加申し込み者の顔ぶれには、研究者も多く含まれていますので、会場からも活発な意見が飛び出し、熱を帯びた「木村白山を探す」催しになることを期待しています。

実は昨日提案して了承を得たばかりなのですが、終了後に渡辺先生自らによるギャラリートークを実施します。今展示しているコレクションの数々を、思い出も交えながらお話していただきます。貴重な機会ですので、こちらもどうぞお楽しみに。その後はささやかな交流会に。

先着30人で、残席わずかです。雨降りが心配ですが、明晩、私はいつものテルテル坊主さんを吊り下げて、傘の出番がないよう祈ります。多くの皆さまとお会いできることを楽しみにしています。

最後に、参加される皆さまにお願いがあります。9日の催しでは、録音、撮影を一切お断り申し上げます(当館が記録用に撮影を依頼しているカメラマンを除く)。ご協力をよろしくお願いします。

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