おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.01.13column

没後20年を迎える宮川一夫先生の記事掲載と昨年ニューヨークで開催された特集上映会の様子

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今朝届いた京都民報の記事。大きく当館が提供した宮川一夫先生(1908年2月25日―1999年8月7日)の写真が載っていてびっくりしました。市川崑監督と一緒に、京都で撮影されていた時のもの。ひょっとしたら『鍵』撮影の時のものかも。キャプションなどは連れ合いが書いた『撮影監督・宮川一夫の世界』(キネマ旬報社)を参照されたようです。細かいことですが1か所誤りがあって、「今のホテルオークラの南隣の京町家に生まれた」とありますが、正しくは「今の京都ホテルオークラ前の御池通を挟んだ南側」でしょうか。ちょっと気になりました。

今年は没後20年ですが、昨年は生誕110年ということで、当館でも4月1日に『映画の天使』上映と同作品の高岡茂監督をお迎えしてトークイベントをしましたし、10月の京都国際映画祭でも特集上映を提案し、実現しました。

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特筆すべきは昨年4月6日~29日ニューヨーク近代美術館(MoMA)とジャパン・ソサエティ、フィルムフォーラムで開催された撮影監督宮川一夫特集でしょう。一キャメラマンに特化して、27作品がアメリのニューヨークで上映されるというのは極めて異例なことです。世界の宝、宮川先生ならではのことでしょう。

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ニューヨークのジャパンソサエティでの様子。

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左から宮川一夫作品の4Kデジタル修復に携わった宮島正弘さん(当時の撮影助手)、通訳の増渕愛子さん、宮川一郎さん(宮川先生のご長男)、そして、司会と質問役のジョアン・ベルナルディさん(ロチェスター大学教授)。ジョアンさんは、学生時代、大阪芸術大学の留学生として、直接宮川先生から指導を受けた経験があります。

多くの方が関心をもち参加して下さって何よりでした。3月の大阪アジアン映画祭でジャパンソサエティの人と再会できるでしょうから、その時に詳しく話しをお聞きするのを楽しみにしています。

昨年暮れに、NHK「ETV特集・キャメラマンMIYAGAWAの奇跡」が放映され、親交のあった山田洋次監督や篠田正浩監督、今活躍中の是枝裕和監督、周防正行監督、大友啓史監督たち、アメリカの著名なマーチン・スコセッシ監督、アメリカ・アカデミー協会会長でもある撮影監督のジョン・ベリー氏が、宮川カメラの真髄や多様性、華麗なカメラワークについて大いなる尊敬の念を込めて解説するドキュメンタリーでした。

小津安二郎監督がMoMAで注目を浴び、世界的な監督として評価されるようになったことを思えば、遅まきながらも「世界のMIYAGAWA」として今後益々名声が高まることを願っています。

宮川先生のことを末永く人々の記憶に刻んでもらえるよう、今年も8月に催しをしたいと考えています。その時は、是非皆さんお運び下さいね。

 

 

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