おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2019.01.23column

ランドルフ・メーコン大学(米国)ジム M.ドーリング先生と学生さんたち来訪

今朝1番のお客さまは、アメリカのランドルフ・メ―コン大学からの団体17名。

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大学のHPによると、アメリカ東海岸に位置するバージニア州の州都リッチモンド近郊を拠点として、1830年創立のリベラルアーツの4年制私立大学。日本でいえば、天保元年に誕生した歴史ある大学。実は2年前の1月17日に初めて来館いただきましたので、今回は2回目。引率は音楽学部のジム M・ドーリング教授と同大学国際交流課(留学生支援)で活躍されている日本女性の中村真由美さん。彼女が通訳を兼ねて今回も来て下さったので、英語ができない私共は大助かり。

2年前は、緊張もあり事前学習ができないままお迎えしたのですが、今頃HPを読んでドーリング先生の名刺に書いてある「TOMODACHI」の意味がわかりました。2011年3月11日の東日本大震災の時、同大学の卒業生テイラー・アンダーソンさんも犠牲者の一人に。日本の文化と言語を愛し、勤勉だったティラーさんは、2008年から亡くなるまでの3年間、JETプログラムから外国語指導助手として派遣され、宮城県石巻市の子どもたちに英語を教えるとともに、地域の人々とも交流を深めて、文化や言語を越えた相互理解と国際教育の発展に尽力されました。

ご両親は、日本とアメリカの架け橋になりたいというテイラーさんの思いを受け継いで、テイラー・アンダーソン記念基金を設立。その基金と国際交流基金日米センター、日米カウンシルTOMODACHIイニシアチブからの支援で、ランドルフ・メ―コン大学から今日まで多くの教員や学生さんたちが日本に派遣され、多くの大学と提携して、国際文化交流は益々盛んになっています。2016年度から毎年1月に実施される「教員引率日本研修コース」の一環として、当館に再度お越しいただきました。

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館長である連れ合いの説明からスタート。

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連れ合いが手にしているのが、日本のおもちゃ映写機。戦後暫くまで、このような映写機で、上映後(アニメはおもちゃ映写機用に作ったものもあります)に切り売りされたフィルムをご家庭で見ていました。日本の場合は、無声映画の残存率が極めて低いので、こうした家庭用に販売されていた断片でも映画史の欠落部分を埋める役に立つと発掘して、修復して、できるだけフィルムで残す活動をしていることを話しました。スクリーンに映っているのは、その作品リストの一部。

こうした中から昨年11月に世界発信のニュースになったディズニーの『Neck'n'Neck』(邦題『ミッキー漫画 スピーデー』、1928年)50秒、一昨年秋にチャーリー・チェイス(1893-1940年)主演のこれも「ロストフィルム発見!」として世界発信のニュースになった『Why Men Work』(邦題『キゲキ・カメラマン』、1924年)53秒などをご覧いただきました。おもちゃ映画から貴重な映像が発見されていることを紹介した後で、皆さんにも手回しのおもちゃ映写機(下掲、米国のキーストン社製1920年頃)を体験してもらいました。装填しているフィルムは、戦前時代劇の剣戟シーン。この操作と上映体験はとても関心をもってもらえました。

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映写機自体も高価ですが、フィルムはもっと高いので、どれも短いものばかり。それでも欲しい子どもたち(その周辺の大人たちも)が小遣いを貯めて買えるよう、玩具メーカーは、いろんな長さのフィルムを用意していました。例えばキング映画フィルムなら、15秒、20秒、30秒、50秒、100秒という長さに合わせて映像を再編集して販売していました。「どこかの家で幻燈(映写会)をすると聞けば、大人も子どもも喜んで集まって見た」と子どもの頃の体験談をお聞きしたこともあります。

古い映像を見てもらった流れで、前回ドーリング先生に即興で演奏していただいた「チャップリンのおもちゃ映画特集」の様子を見てもらいました(下掲)。

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学生さんたちは2年前の方たちと異なるのですが、同じような場面で大ウケ。特にタイトルが出て、先生が演奏を始めて直ぐに終わってしまう超短い作品と、大学の校歌が演奏された時のもの。一部をYouTubeにアップしていますので、ぜひご覧ください。

今回も何か演奏をしてもらえそうだったので、ロチェスター大学のジョアン・ベルナルディ教授に英語字幕を付けてもらった『突貫小僧』(1929年)を上映して、それに即興演奏をお願いしました。小津安二郎監督の喜劇映画の面白さは世界に通じて、素晴らしい演奏と共に、皆さん大いに楽しんでくださいました。

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ベルナルディ教授とロチェスター大学の先生方のご尽力で、昨年10月のポルデノーネ無声映画祭で『突貫小僧』がDCPで上映されました(12日)。これはベルナルディ教授から送ってもらったその時の立派なカタログ。

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その256~259頁にベルナルディ教授の文章が載っています。多くの人のお力添えで、世界中の無声映画ファン、小津安二郎ファンの方に見ていただけることに心から感謝しています。もちろん、ドーリング教授もとても気に入ってくださったので、米国に戻られてから正式な演奏付きでお送りいただくことになりました。今からとても楽しみにしています。

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この日に間に合うよう、ミュージアムで知り会った「エスエススタジオ」のお2人に1927(昭和2)年1月発売のお伽歌劇『茶目子の一年 お正月の巻』の音源に合わせたアニメーションを作ってもらいました。英語翻訳ボランティアは当団体正会員の吉川恵子さん。「エスエススタジオ」さんには、やはり1927年1月発売の『茶目子の一年 クリスマスの巻』のアニメーションも作ってもらっていて、その作品を2年前ドーリング先生たちが来館の折にご覧いただいたところ、大好評。そういういきさつもあって彼らに再度お願いしました。作詞はいずれも1931年に西倉喜代治が作った『茶目子の一日』と同じ佐々紅華。アニメーションは手作り感満載で素朴、懐かしい感じがとても良いです。「きっと日本に関心があって訪れた海外の人には興味深く映るだろう」と思い、これからも機会あるごとに彼らの作品を紹介して、世界に羽ばたけるよう応援しようと思っています。

展示室で光学玩具などを自由に触れて体験してもらい、あっという間に予定時間をオーバーしてお別れの時間になってしまいました。

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 いつまでも皆さんの後ろ姿に手を振りながら、別れを惜しみつつ見送りました。皆さんにお会いできて本当に嬉しかったです。楽しい時間でした。 また次にお会いできるのを楽しみにしています!!!!!

 

 

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