おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.04.01column

「ストップモーション アニミズム展 in KYOTO」の前半振り返り~オープニング

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3月23日から始まった「ストップモーション アニミズム展inKYOTO」は、おかげ様で遠方からも足を運んでいただき連日賑わっています。今日も東京、新潟、福井県、それに近畿一円からお越しくださいました。その多くの方が時間を割いて、およそ3時間ある作品上映をご覧になっています。東京藝大大学院伊藤ゼミ生時代の作品と、プロとして活躍されている現在の作品を見比べられるのも、そう機会があることでもなく尚更興味深くご覧いただいているようです。

23日10時に伊藤有壱教授を筆頭に今回参加いただいた作家さんたち7名が集まってくださいました。17人の紹介パネルや、ストップモーションアニメに使った人形などの資料を展示ケース内に飾り付ける作業に一生懸命。事前に報道機関に取材依頼した時点では「13時頃に飾り付けは終わっていると思います」と案内しましたが、14時オープン直前までかかって、ギリギリセーフでした。

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日本アニメーション協会理事でもある伊藤先生のご挨拶で、西日本初の正式巡回展「ストップモーション アニミズム展」が始まりました。早速先生のゼミで学ばれていた時代の作品を順次上映(Aプログラム)。続いて大学院修了後の作品や、映像プロジェクトの作品を上映(Bプログラム)。ストップモーションアニメーションは手間暇がかかり、物理的にも難しく、一番作り手が少ない分野だそうですが、大学院で自らの意思でこの表現を選んだ作家さんたちは、とりわけ貴重な存在と言えましょう。どの作品も表現がとても豊かで「作家さんの数だけアニメがあるんだなぁ」と思います。

東京藝術大学大学院の立体ゼミは2008年4月横浜にオープンしました。この頃既に伊藤教授の人気キャラクターNHKEテレのクレイアニメ―ション『ニャッキ!』は始まっていて、この粘土アニメは「24年間続いていて、来年も続くはず」と先生。半世紀も人気をキープしているのも凄いことですね!!今回の展示では、この『ニャッキ!』の人形も展示されていますが、残念ながら上映はありません。その代わり、5年の歳月を費やされた『HARBOR TALE』(2011年)がBプログラムでご覧いただけます。チェコZLIZ FILM FESTIVAL最優秀アニメーション賞・観客省受賞作。さすが!のダントツの上手さです。ぜひ、この機会にご覧ください‼

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上映会終了後に恒例の集合写真を撮りました。たくさんの方に参加いただきましたこと心から御礼を申し上げます。

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続いて、トークイベント。向かって左から順に、今回の催しの幹事、坂上 直さん(6期)。上映作『その家の名前』(2015年)はイメージフォーラムフェスティバル2015で大賞受賞。オランダ国際アニメーションフェスティバルで学生部門特別賞受賞、国内外で多く上映。Bプログラムで『Rollinng』も上映。河野亜季さん(2期)も幹事役。上映した『約束』(2011年)は第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品や国内外で多く上映。BプログラムでMV『どっぴんしゃーらー』も上映。白石慶子さん(3期)の上映作品『かくれんぼ』(2012年)は東日本大震災をテーマに砂を用いて作ったアニメーション。Bプログラムの「ホウセンカおじいさん」も心に残る作品でした。『空とぶさんま』は東日本大震災の後、岩手県大船渡市の子どもたちと作った作品。餠山田モチ世(仲本有里)さん(4期)の上映作『やみのけ』(2013年)は、ものには全て気配があることを表現した作品。現在は埼玉県のSKIPシティでご活躍。小川育さん(7期)の『I think you're a little confused』(2016年)は血入り腸詰のお話。現在は「どーもくん」などを作っている会社で活躍されています。そして急遽参加が決まった渡辺栞さん(9期)の『ワタヤ』はザグレブでコンペインし、世界で評価された作品です。溶かした蝋を用いた表現が見ものです。

上映作品の中には、子どもたちには「怖い」と受け止められている印象の作品もいくつかあります。今回のプログラムは総じて大人向けで、子どもが見て楽しいという作品が少ないと言えるのかもしれません。今日来館いただいた映像制作会社の人に「世代的な表現なのでしょうか?」と意見を求めましたら「若いから、こうしたものを作りたいのでしょう」ということでした。当初伊藤先生が来場の対象を、小さな子どもよりもっと上の世代としておられたことの意味が今頃になってわかりました。

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トークイベント終了後の懇親会。乾杯!

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朝日新聞記者の小原篤さん(左)は、11月11日「トークとピアノ演奏で観る映像作家『髙橋克雄の世界』作品上映会」にもご参加いただき、ツイッターの「小原篤/アニマゲ丼」で当日のことを書いてくださいました。「今回も是非に」と要望しましたが、「今日は仕事ではなく私用できましたので」と言われしょげてしまいましたが、憐れに思ってくださったのか、少し呟いてくださいました。影響力が大きい方ですから、ありがたいことでした。右はナガタタケシ・大阪電気通信大学ゲーム&メディア学科准教授。「TOCHIKA(トーチカ)」で著名です。昨年8月28日にオランダのゲルベン・シェルマーさんと一緒にお越しいただいて以来の交流で、30日のフィルムを使ったアニメーションワークショップにも参加して下さいました。

DSC09156 (2) - コピーこちらは、アニメーション作家のナポチカハルコさん。手にしておられるのが、作品に登場した人形たち。人形の色彩やご本人のルックス通り明るくて、気さくで、周りを元気にしてくれるお人柄。すっかり惹き込まれました。若手アニメーション作家支援プロジェクト「HAG(ハンドメイド・アニメーション・グランプリ)2014」でグランプリを獲得。2015年まで1年間全国のイオンシネマで上映前「マナーCM」として流れたそうです。作品審査員のお一人が伊藤有壱先生で、この日再会できたことを大変喜んでおられました。他にも各方面でご活躍の方々が多数参加してくださいました。

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翌日からも次々とお客さまがお越しくださいました。写真は27日にイギリスのカーディフからお越しのジェイソン・マーさん。彼地では毎年「こたつ日本アニメーション映画祭」が開催され、彼はスタッフとして活躍。2年前に伊藤教授が招かれた折りにお会いされた時の写真を見せて貰いました。彼は毎年3月に開催される大阪アジアン映画祭のスタッフもされているそうで、連れ合いが実行委員として名を連ねている同映画祭のカタログに彼の名前が載っているのを見てびっくりしました。作品内容の翻訳や海外向け情報発信のボランティアを3年前からしているのだそうです。来年はウェルカムパーティーで再会したいですね。そして、思いがけない展開が29日夜にありました。「こたつ日本アニメーション映画祭」のディレクター、メルディス英子さんとFacebookで繋がり、4月16日に来館いただくことになったのです。英子さんより先に、ジェイソンさんがおもちゃ映画ミュージアムを訪問されていたことにびっくりポン!な様子でした。面白いように世界の人々と繋がります。

お客さまは茨城県、兵庫県市、奈良県、愛知県、東京都、福井県、大阪府、もちろん京都府と広い範囲からお越しくださいました。3月7日夜放送のABCテレビ「ビーバップ!ハイヒール」をご覧になって当館に関心を持ってお越しくださる方も多いですが、3月19日TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演された伊藤教授の「ストップモーション・アニメの逆襲2019」と題した熱いトークをお聞きになって興味を持たれた方々の来館が多いです。番組で伊藤先生は当館のこともご紹介くださりありがたかったです。27日にはそれをお聞きになって来館いただいた「ブライトマン」さんが、帰宅後、早速見学の感想を「アフター6ジャンクション」にお送りくださったところ、「番組で話して」ということになり、その日の番組「アフタートーク:リスナーと楽しくカルチャー電話」のコーナーに登場という信じがたいスピード展開で、こちらもびっくりポン!ポン!!ポン!!!状態。「ブライトマン」さんは、「ストップモーション アニミズム展」の感想に加え、当館の活動も紹介して下さって「昔のフィルムを夫婦で保存活動をされているので、番組で特集して応援しても面白いと思う」とまで言ってくださって、聞いていて胸が熱くなりました。

昨日の若者二人は、19日の放送も、27日の放送もお聞きになって来館。他にもこうした人々がたくさんおられます。同番組は全国津々浦々に放送されているので、幅広い地域からお越しいただくことに繋がっているようです。そのうちのお一人は「ストップモーションアニメを、これだけ沢山 観たのは初めてで、どれも楽しく観させて頂きました。色々な作品を観て、ストップモーションアニメの可能性を強く感じました。もっとたくさんのジャンルを、この方式で作ってみて欲しいです‼」と感想を綴ってくださいました。

長時間続けて見てもらうのは、とりわけ子どもさんにとっては辛いかもしれないので、Aプログラムを二つに分け、Bプログラムと3つに分けて、27日から以下のスケジュールで上映しています。休憩時間には、出展作家さんが作品に用いた人形などの実物をご覧いただくほか、おもちゃ映写機で映写体験もしてもらっています。所蔵映像はこの期間中自由にご覧いただくのは少々難しいのですが、それ以外の常設展はいつも通りご覧いただけます。こうしたやり方は今回が初めてなのですが、 今後も応用してやっていけるのではないかとの感触を得ています。

time-2 (1) - コピー西日本初の公式巡回展「ストップモーション  アニミズム展 inKYOTO」は残すとこ、あと5日。貴重な機会ですので、ぜひご覧ください!!!

 

 

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