おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2019.04.04column

渡部眞先生寄稿「第12回映画の復元と保存に関するワークショップ」ノートを受けて、振り返り

名古屋学芸大学メディア造形学部教授の渡部 眞さんが、2017年8月25~27日、国立大学法人電気通信大学で開催した「第12回映画の復元と保存に関するワークショップ」のノートを送ってくださり、当ホームページの「新着情報」でに分けて掲載しました。13回まで継続してきた「映画の復元と保存に関するワークショップ」でどんなことをしていたのか参考にご覧いただければ幸いに存じます。
 
個人的には、先生から届いたメール最後に綴られていた
「2週間前に大学の用事でアメリカに行ってまいりましたが、日本では『衰退していく』と伝えられたフィルムでの撮影が、むしろ以前にもまして隆盛になっていることに驚きました。やはり品質と保存の優位性をもって、世界では当たり前のように使われている事実があったのです」という文章に心惹かれました。
 
最近届いたコダックメールマガジンを参考にすれば、スパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』(2018年カンヌ国際映画祭グランプリ)、『ラ・ラ・ランド』(2016年)でオスカー賞を受賞した撮影監督ㇼヌス・サンドグレンの『くるみ割り人形と秘密の王国』(ラッセ・ハルストレムとジョー・ジョンストン共同監督、2018年)、同じくㇼヌス・サンドグレン撮影監督の『ファースト・マン』(デイミアン・チャゼル監督、2018年)、ヨルゴス・ランティモス監督『女王陛下のお気に入り』(第75回ベネチア国際映画祭銀獅子賞、2018年)、ジェイソン・ライトマン監督『フロントランナー』(2018年)等々多くの作品がフィルムで作られています。フィルムかデジタルかなど日本では、ほとんど語られることがありませんから、こういう話をすると「いまだにフィルムがあるのですか!!」と驚かれる場合が結構あります。そうしたことが残念でなりません。多くの人が関心を持ってくだされば、日本でも状況は変わると思うのです。
 
 先生のノートを読んで、思い出の写真を少しだけ。
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ワークショップ1日目の実習/見学で、私共は東宝スタジオを見学させてもらいました。約24000坪もある広大な撮影スタジオで、実際のスタジオ内見物もさせてもらいました。衣装部門、小道具部分、俳優さんの控え室、それに特殊メイクアップの工房では第一人者の方に説明して貰いました。極め付きは、木村大作監督・撮影『散り椿』の冒頭部分の試写に立ち会わせてもらえたことです。木村監督の放たれるオーラに緊張しながら拝見しました。この作品、昨年9月に公開され、モントリオール世界映画祭や日本アカデミー賞で数々の賞に輝きました。私の故郷、富山でロケされたことも嬉しく思います。
 
2018y03m01d_170454580 (2)偶然東宝スタジオ見学で一緒になったエイドリアン・ウッドさんと奥様の大熊美保さん。ライトニングトークの時に登壇され、ワークショップ1か月後の9月23、24日に開催された「第4回レストレーションアジア福岡」の紹介をされました。ウッドさんとは第8回ワークショップで、市川崑監督『東京オリンピック』の復元についてお話していただいて以来交流が続いています。この日の再会も嬉しく思いました。
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 熱心に耳を傾けて発表を聞いておられる様子。広い会場でしたが、ご覧のように大勢の参加者で熱気に溢れていました。若い人の参加が多いのが、今後への希望となりました。

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2日目19時から、電気通信大学B棟ロビーで繰り広げられた懇親会の様子。マイクを持って挨拶されているのは、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹(現国立映画アーカイブ館長)の岡島尚志さん。

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3日間のワークショップが無事終了し、記念の集合写真です。前列左から二人目に写っている第12回WS実行委員長の渡辺明男様(㈱東京現像所)を筆頭に、大勢の方のご尽力で盛大に、そして熱い3日間が過ごせました。皆さまに心より御礼を申し上げます。年に一度、こうして志を同じくする人々が集い、情報交換し、時には励まし合い、交流を深める場があることは、とても貴重だと思います。

 さて、この2つの荷物は昨年3月20日と、今年3月30日にNPO法人映画保存協会から届いたもの。中には第13回目までの「映画の復元と保存に関するワークショップ」の資料が入っています。昨年連れ合いが代表引退の表明をしましたので、第14回目がどのように運営されるのか全く存じませんが、新たな主催団体がはっきりするまで一時預かりすることになりました。しっかりとバトンタッチできるよう願っています。
 
【2019年5月17日追記】
5月17日15時に、日本映画テレビ技術協会京都支部の関口さんと鈴木さんが来館。今年度の「映画の復元と保存に関するワークショップ」について説明を受けました。着手が遅れているため、今年の開催は秋にずれ込む見通しだそうです。詳細はこれから追々詰めていかれることでしょう。
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お預かりしている写真の資料を17日にお二人にバトンタッチすることができました。今後益々ワークショップが盛んになりますように。
 

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