おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2019.06.30column

2019年6月29、30日の出会い

昨日は午前中、連れ合いに留守番を頼み、30日迄開催のアンティークフェアを覗いてきました。時間がないので、駆け足で広い会場内を見て歩きましたが、目指すフィルムや関連道具たちは見当たらず。以前見かけた「陶器製覗きからくり」に似たようなものがないかと声を掛けましたが、「滅多に出やしない。あれば自分がコレクションする」と言われてしょんぼり。でも、からくり繋がりで、珍しい「神戸人形」を教えて貰いました。

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明治の中頃から昭和の初めまで作られていたこのからくり人形は、つまみを回すと、頭や両手両足、舌が伸びてカタカタ動きます。他に5種類並んでいました。神戸に来た外国人観光客らの格好の土産物として喜ばれていたそうです。

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新しく家族の一員になった高さ13㎝位の小さなお人形で、手足が動きます。8月11日、12月8日に「映像を通して平和を考える」をします。子どもたちがこうしたお人形で「戦争ごっこ」をする時代が再び来ることがないよう研究者を交えて考える時間を設けます。

ミュージアムに戻ると、顔見知りの森さんがお帰りになったばかりでした。7月は、明日から始まる祇園祭りに因むミニ展示をしようと思って、紙資料コレクターの森さんに協力をお願いしました。後祭が行われる24日に、祇園祭の映像上映と還幸祭神輿渡御の見学を計画しています。

私が留守中にお見えになった女性は「ホームページやSNSを読んで、いろいろ尋ねられるんじゃないかと思い、ハードルが高いと感じていた」と仰られたそうです。決してそんなことはありません。もし、そう感じておられるのでしたら、私がアニメーションも含めて映画の知識がないから、いろいろ教えてもらおうとお尋ねしてしまうからなのでしょう。ちょっと反省しました。どうぞ、気楽に遊びにいらしてください!!!

続いて東京から、26日付け朝日新聞をお読みいただいたご夫妻。とりわけご主人様はゾートロープがお好きで、展示している光学玩具はじめいろいろなものを興味深くご覧いただきました。海外のこうした博物館にもお出かけだそうで、珍しい展示方法のヒントも教えてくださいました。

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続いて、韓国の慶熙大学校イ・ヒョイン教授(前韓国映像資料院院長・左端)と韓国映像資料院のチョン・ジョンファさん(左から2人目)ご一家が来館。韓国映像資料院で復元保存された6作品を寄贈していただきました。右端はチョンさんの一人娘久羅羅(くらら)ちゃん。初めて会った時は、まだ小さかったので、こんな大きくなっていてびっくりしました。孫の成長を見るような気持ちです。お父さんそっくりで、「日本では女の子が父親に似ると幸せになると言われている」と話すと、「韓国でも同じことを言う」そうです。

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 久羅羅ちゃんのお母さん、キム・スヒョンさんは、現在京都大学大学院で勉強中ですが、交換留学生としてこれから半年間アメリカの大学で学ばれるそうです。皆さんご多忙ですが、いつか韓国の映像アーカイブについて、お話をして欲しいとお願いしました。先に寄贈いただいた『授業料』も含めこれらの作品を、広く皆さんと一緒に見られる機会も設けたいです。

そして、もう一人印象的だったのは、府内亀岡市からお越しの数井さん。名字やお住いの地名が面白くて最初に話が盛り上がりましたが、もっと話をしているうちに、この方の曽祖父、数井庄太郎さんが、かつて尾上松之助一座におられた話になりました。曾祖母、かるさんも一緒に巡業に行っておられたとか。庄太郎夫妻は亀岡にしばらく住んでおられ、後に大阪に移られたそうですが、亀岡でも昔はたくさんロケが行われていましたから、「ひょっとしたら、うちに残っている無声映画に庄太郎さんが映っているかもしれませんね」と話ながらワクワクしました。以前尾上松之助さんを調べた経験から「大変座員を大事にした人」という人物だと思ったからです。尾上松之助さんに頭を撫ぜてもらった記憶がある100歳を超えた佐々木初栄さんに続き、尾上松之助座員だったこともある数井庄太郎さんの情報。これはこれで、なかなか面白いです。

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1か月にわたり開催していた資料展「京都の映画産業の礎を築いた二人の偉人、稲畑勝太郎と横田永之助」最終日の今日30日は、降り続く雨にもかかわらず、「この機会に勉強したい」と幾人もの方が足を運んでくださいました。その中に、横田永之助さんの三男良之助さんご夫妻と、永之助さんの孫娘さんの三人の姿もありました。三人は、横田万寿之助さんと永之助さん兄弟の若い頃の写真にずっと見入っておられました。5月25日に新たに見つかった横田龍次さん(永之助さん長男)が撮ったホームムービーをご覧になりながら、「日活関西支社は烏丸御池にあった」と教えてくださいました。龍次さんのご長男、雅夫さんがまだ小さい頃の様子も映っていて、目を細めてご覧になっていました。良之助さんも雅夫さんもご高齢ですので、くれぐれもお身体に気を付けて健やかにお過ごしください。ご覧いただけたこと、本当に嬉しかったです!!!

 

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