おもちゃ映画ミュージアム
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2020.03.16column

第15回大阪アジアン映画祭見聞録(2)

6日から始まった第15回大阪アジアン映画祭は昨日15日で閉幕しました。休館日と閉館後を利用して少しばかりですが私も鑑賞させて頂きました。感染拡大を防ぐため自粛を要請されているので、大々的な広報はされませんでしたが、皆さん手をアルコール消毒し、マスク姿で座席を埋めておられました。耳に入る会話から、遠方からも熱心に見に来てくださっている様子。ゲストスピーチもサイン会もなく寂しかったのですが、1作品終わるごとに温かい拍手が送られている光景は良いものです。

6日、7日の見聞録は前回書きましたので、その後見た作品のご紹介。

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9日は『フォーの味』(ドイツ、ポーランド、2019年)。福岡県出身でワルシャワを拠点に活動しているボブブリックまりこ監督の長編デビュー作。ポーランド人の妻を亡くしたベトナム移民の夫と亡き母への思いが強い女の子の話。予告編はこちら

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『チャンシルは福も多いね』(韓国、2019年)も女性監督でキム・チョヒさんの長編デビュー作。とても明るい作品。予告編はこちら

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『サンシャイン・ファミリー』(2019年)は、日本映画学校(現・日本映画大学)留学経験もあるキム・テシク監督の最新作。全編韓国ロケのフィリピン映画。仕事のため家族4人で韓国に住むフィリピン人の一家が、降り掛かった一大危機を乗り切ろうとするドタバタ喜劇。

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『春潮』(2019)は、監督、脚本家、撮影監督、女優もこなすヤン・リーナーさんの作品。孫娘の世話をしながらコーラスグループのリーダーを務める母、シングルマザーで社会部記者をしている主人公の三世代女性を取り上げ、それぞれが生きる時代の価値観の違いからくる葛藤を描きます。

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10日に観たのは、フィリピンのジェイド・カストロ監督『LSS:ラスト・ソング・シンドローム』(2019年)。ミュージカル・ラブストーリーで、気楽に楽しめました。予告編はこちら

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フランス、バングラデシュ、デンマーク、ポルトガルによる『メイド・イン・バングラデシュ』 (2019年)の監督は、バングラデシュ生まれで、ニューヨーク大学で映画を学び、今はダッカを拠点に活動しているルバイヤット・ホセインさん。同国独立戦争下で敵兵を愛した女性を描いた『Meherjaan』(2011年)、家父長制社会の中で自分をみつけようとする女優を描いた『Under Construction』(2015年)に続く3作目。男性優位のナショナリズムを批判した『Meherjaan』は、全国的な抗議行動に見舞われたそうですが、、めげずに制作を続ける姿勢は、アッパレ。映画を観て興味を持ち、13日のシンポジウムに行ってきました。予告編はこちら

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宮崎大祐監督の『VIDEOPHOBIA』(2019 年)は、大阪の下町を舞台にした作品。一晩限りの関係を持った主人公が、ネットでその夜の情事と思われる映像を見つけ、それが拡散し…。モノクロ作品。

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11日はマレーシアと台湾の『ミス・アンディ』(2020年)と中国の『日光之下』(2019年)を観ました。前者はマレーシアの人気俳優テディ・チンさんが監督。妻を亡くし、本来の姿になろうと女性として生きるアンディは、仕事も家族も失います。ある雨の日に男の子を連れたソフィアと出会い…。一瞬見えたかに思えた希望が、かえって悲しみを誘います。

『日光之下』は、リャン・ミン監督の長編デビュー作で、平遙国際映画祭でフェイ・ムー賞の最優秀監督賞とロベルト・ロッセリー二賞の審査員賞受賞に輝いた恋愛ミステリー。舞台は中国の東北部の寒村。かつて日本が中国に侵略して築いた「満州国」があった場所だと気付き、興味深く観ました。日本が戦争に負けた後帰国して、様々な理由から再入植しようとなったとき、引き揚げ者は「雪のないところ」を希望したと聞きます。広大な土地と厳しい冬の映像を観ながら、その方たちの思いを重ねました。予告編はこちら

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新型肺炎問題さえなければウェルカム・パーティーがあった12日は、台湾の『大いなる飢え』(2019年)を観ました。シェ・ペイルー監督の長編デビュー作。台北電影奬で最優秀新人賞、台北映画祭の国際新人コンペティションで観客賞を受賞されています。ポスターに後ろ姿が載っている主人公ジャン・インジュエンは、母親が経営する保育園で給食を作っています。彼女の作る料理は美味しいと評判ですが、母親は105キロもある娘を心配して、ダイエット・プログラムに参加するよう勧めます。演ずるのは舞台経験豊富なツァイ・ジャーインで、映画初出演だそうですが、圧倒的な存在感と繊細な演技力で2019年映画賞を総ナメに。予告編はこちら

以上で、今年私が観た大阪アジアン映画祭の作品は全て。受賞作品がこちらのサイトに載っています。受賞された皆様、おめでとうございます!!!!! 残念ながら私が観た映画は一本も入っていませんが、それぞれが一生懸命制作された作品です。今後どこかで上映される機会があれば、ぜひご覧下さい。

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