おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.04.11column

大林宣彦監督の訃報

昨夜、大林宣彦監督(82歳)がお亡くなりになりました。癌と闘いながら映画を作り続け、最新作の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』は、当初お亡くなりになったのと同じ10日に公開予定でしたが、COVID-19感染拡大の影響で延期となっていました。この作品は、日本の戦争の歴史を辿る内容で、現代の日本への危機感を訴えています。

私は、2018年12月8日に大阪大学豊中キャンパスで開催された日本映画学会に出かけていった折り、大林監督の特別講演「未来のためにハッピーエンドをつむぐ映画」を聴くことができました。その中で「映画で歴史を変えることはできないが、映画で未来を平和に変えることはできる」と話された一言が今も強く印象に残っています。

2018年12月8日阪大豊中キャンパス日本映画学会での講演で大林宣彦監督-コピー-2

その時のことも含めて書いたブログ/blog/column/9681.html に熱心な大林監督のファン、森町水歌さんのことも紹介しています。彼は、今頃大きな喪失感に浸っておられることでしょう。昨年2月27日にお会いした折り、森町さんから彼手作りのびっしり書き込まれた幾枚かの印刷物を貰いました(それらは、閲覧できるようにしています)。今それを手に取りながら繰っていると、そのうちの1枚(2014年8月31日発行)の左下に「フィルムとデジタル」の見出しで書かれたコラムに目が留まりました。

IMG_20200411_0001…大林監督はフィルムを捨ててデジタル側に行ったのではない。デジタルでしか出来ないことに取り組むことで、逆にフィルムでしか出来ないことをはっきりさせようとする。ご本人曰く「フィルムを残すための戦いをしている」のだ。日本ではイチかゼロでフィルムは必要ないものとして排除されようとしている。もう全部デジタルでいいじゃん?いや、我々ファンもフィルムの貴さを再認識してゆかねばならない。…

森町さんが記録しておいてくださったおかげで、大林監督の思いを知ることができました。改めて惜しい方を亡くしたと思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

なお、大阪芸大映像学科卒業生の一人、呉 美保監督は、大学4年の時、お祖父さんの記録をホームビデオで撮影した『ハラブジ』が、大林監督主宰の映画祭「星の降る里芦別映画学校」で審査員賞に輝きました。パーティ会場で大林監督に直訴して、大学卒業後、助監督見習いとして監督の個人事務所PSCに入社します。撮影現場で大林監督の演出を見ているうちに映画監督への強い関心を持ちはじめ、スクリプターとして制作に携わるかたわら、自ら監督した『湯布院源流太鼓』『め』『ハルモニ』で頭角を現します。2004年PSCを退社した後に監督した『酒井家のしあわせ』『オカンの嫁入り』『そこのみにて光り輝く』『きみはいい子』等、国内外で数多く受賞し、高い評価を得ておられます。今開催中の大阪芸大映像学科学生映画には、監督としてではなくスタッフとして参加した『マシンガン学園初等部』が来年上映予定です。

 

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