おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.08.04column

FPS 1971-2020の年内ラインアップ

 大阪芸術大学映像学科歴代学生映画 FIRST PICTURES SHOW 1971-2020も本来なら、秀作、傑作、快作が並び、今活躍中の監督たちの作品もあって、たいへんな話題を呼んでいたことでしょうが、このコロナ禍で、4月のっけからつまづき、休館や休止を余儀なくされてしまいました。6月3日から再スタートしたものの、やはり観客ゼロの日もあります。今は状況を見ながら、私自身は、今しかできないことを考えて、これまで寄贈を受けた古い映画フィルムや学生作品を整理したり、テレシネやデジタル修復をして、皆さんに見ていただけるように作業を行っています。

 京都は、観光が重要な資源ですから、海外のお客さんがゼロになり、休業しているホテルや宿泊施設、土産物店も多いようです。当館も海外や東京など遠方の研究者に利用していただいていることもあり、どこまで、我慢できるのか、…「家賃さえなければ、…」といったところです。このコロナ禍では辛抱する以外にありません。当館だけではなく、映画業界も例外ではなく、映画館も相当なダメージを受けています。映画館で映画を見るのが好きな私は、それでも足を運ぶのですが、私が見たい映画は地味な渋い作品が多いためか、毎回大きな劇場の中で観客は数えるほどの状態で、時にはたった一人で見ることもあります。かつて60年代から70年の頃に映画が斜陽産業と呼ばれ、観客が消えた時期がありましたが、同じような状況です。大きな広い空間の中で、一人映画を見られるというのは、ある意味では贅沢な体験で、コロナ禍だからこそ経験できる状況でもあります。感染回避という点では、映画館はとても安全な場所だと思っています。ぜひ、最寄りの映画館へ。

 南河内にある大阪芸大ですが、卒業生は、映像業界で仕事をしようとすれば、東京へ行きます。映画のまち京都、日本のハリウッドとまで言われたのも過去の話で、極端に映画の仕事は減っています。その点では、大阪だけでなく、京都の学生たちも、映画の仕事をするとなると東京へ行ってしまいます。当館で上映している作品の監督たちは、ほとんど東京が主な仕事場です。だから簡単に顔を出すということもできません。応援しますよとは言ってくれるのですが、この緊急事態では、積極的に呼びかけることもできません。今は自粛に努め、もしこのコロナ禍が収束したり、落ち着いてきた場合には、特別な上映会もできますので、その時に同窓会のつもりで、賑やかしに来てくれれば良いと思っています。

 当館の学生映画も、毎朝1回の上映で、古い京民家の織屋建てということもあり、天井は高く、また土壁で、風通しも良く、三密にはならないと自負していますし、消毒液や非接触型体温計も用意し、マスクはもちろん、講演会などの場合は、アクリルの衝立を用意して、対応しています。大きな声では言えませんが、少ない観客の中で、業務用試写室にも負けない大きなスクリーンで、贅沢な映像体験をしていただけると思っています。

 今は、このFPS1971-2020も、粛々と1作品ずつ上映をしてゆきます。作品が集まっているのですから、今後東京や地方での上映会、オファーがあれば、海外の映画祭も視野に入れて、動いて行こうと思っています。

裏FPS2020.8月ラストA

FIRST PICTURES SHOW 1971-2020 2020年内のラインアップ

8月  5日~ 8日「NN891102」1999年、柴田剛監督

8月12日~16日「八月の万華鏡」1979年、いのうえきよたか監督

8月19日~23日「ゆうじの夏」1982年、森英男監督

8月26日~30日「夏の灯―なつのひ―」2009年、小森茉季監督

9月 2日~ 6日「水歌浜町マーメイド」2000年、林健二郎監督

9月 9日~13日「APOLO」2014年、近藤啓介監督

9月16日~20日「トラワレサンジロウ」2003年、森井淑江監督

9月23日~27日「我論」2000年、尾崎学監督

9月30日~10月4日「108」2006年、岡下慶仁監督

10月7日~11日「兎が眠っているよ」1979年、河本浩志監督

10月7日~11日「みそら」1998年、風見篤史監督

10月15日~18日「アポンの自転車」2006年、A.F.Mシップ・モニルザーマン監督。他アニメーション作品

10月21日~25日「Si:シー」2008年、片元亮監督

10月28日~11月1日「震電」1992年、中村達也監督

11月 4日~ 8日「日の底」2003年、板倉善之監督

11月11日~15日「古屋の次第」2008年、加藤秀仁監督

11月18日~22日「きいてんか」2006年、松田健太郎監督

11月25日~29日「龍子」1998年、宇治田隆史監督

12月 2日~ 6日「お歳暮のハムのひも」2014年、青木伸和監督

12月 9日~13日「UNDERTONE」1999年、奥野雄一監督

12月16日~20日「剥き出しにっぽん」2005年、石井裕也監督

12月23日~27日「オモチャ花雲」2002年、伊月肇監督

 

2021年正月以降のラインアップは、後日公開します。

 尚、4月から休止に追い込まれた作品は、2021年の4月の同時期に上映します。

2021年

3月31日~4月4日「Chain」2008年、加治屋彰人監督

4月 7日~11日「ひよっこ青春歌合戦」2004年、高木優監督

4月 7日~11日「春いちばん」2005年、アヤ・ドメーニク監督

4月14日~18日「浪人街~1976年東映京都撮影所」1976年、伊藤信幸監督

4月21日~25日「あんたの家」2008年、山川公平監督

4月28日~5月2日「どんてん生活」1999年、山下敦弘監督

5月 5日~ 9日「どうにもとまらない」2010年、堀江祥子監督

5月12日~16日「而立(じりつ)」2013年、ユン・チョンミン監督

5月19日~23日「痛いの痛いの飛んでゆけ!」2005年、細川龍作監督

5月26日~30日「プウテンノツキ」1999年、元木隆史監督

 

 

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