おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2020.10.18column

今日が最終日、京都国際映画祭2020

15日から始まった京都国際映画祭2020も今日が最終日。コロナ禍で万全を期すためオンライン配信となりましたが、視聴できるようになるまでの手続きに、正直とまどいもありました。ミュージアムで知り合った外国の映画研究者の方が、本当にご親切で当館発信の上映作品について、英語で見どころなどを説明しながら次々ご紹介してくださっていて、連日胸を熱くしています。

日本語読み書きが堪能な彼に問われ、海外からも見ることができると説明をしたのですが、果たして海外のどれくらいの人がご覧になれたかが気になります。昨日、映画祭担当の方に、もう少し簡単な方法に改善して欲しいと要望しました。コロナが鎮まり、従来のように会場にお客様をお招きして上映になったとしても、今後はオンライン上映も必要になってくるように思われます。

「ネット配信だから作品数を増やしても良い」と言われて、「できるだけ多くの人に無声映画の面白さを知って貰いたい」と意気込み過ぎて、作品数を多くしすぎたのかも知れないと反省しています。どの作品も出演者さんのご協力で素晴らしい出来上がりになっていると自負していますが、如何せん開催が4日間限定ですから、どれもこれも見るには時間が足りませんでしたね。もう少し絞るべきだったかも知れません。今回は18日(日)23:59までチケットを発行していて、それを購入(無料の場合でも、無料チケット購入の形になります)した作品については、19日12:00まで視聴できます。

いずれにしても、SNSでの書き込みを拝見する限り、「サイレント/クラシック映画部門がたいへんな充実ぶりです!」と好意的に受け止められていて、映画祭に向けて頑張った甲斐があったと嬉しく思っています。初めて戦前のアニメーションをご覧になった方も多くいらっしゃると思います。弁士さんや楽士さんの持てる才能を存分に発揮して頂いたので、ご覧頂いた方は無声映画の素晴らしさに魅了されたことだろうと思います。関係各位の方々のご協力に対し、心より御礼を申し上げます。今年の様々な苦労が、コロナが鎮まってお客様をお招きして開催されるであろう来年の映画祭で大きく花開きますように‼

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今朝の京都新聞対向面の記事です。昨日午後、祇園花月で授賞式が行われ、その様子はライブ中継されました。無観客で行われましたが、関係者として見ることができました。京都市民映画祭から引き継がれている牧野省三賞は、今年4月10日遺作『海辺の映画館』公開初日にお亡くなりになった大林宣彦監督が選ばれました。「大林宣彦の玉手箱ーワンダーランドな空想映画館ースペシャル企画常盤貴子×大林恭子×大林千茱萸 鼎談」を夕べ見ていましたら、奥様が「監督と一緒に来られなかったことが残念です」と涙声で仰っていて、黄泉国に旅立たれて、もう半年になるのだと、改めてしみじみしました。

お嬢様のお名前を漢字で書くのが難しいなぁと思っていましたが、出生時に奥様が大好きなグミの実の稔りを見て、監督のお母様の名前の一文字「千」と一緒にして、たくさんの幸せが実るようにと千茱萸と名付けられたのだそうです。そうと知れば、漢字変換がなるほど簡単。その千茱萸さんが、映画祭の奥山和由プロデューサーから依頼されて、この映画祭のために組まれた作品群が「大林宣彦の玉手箱-ワンダーランドな空想映画館-」。https://kiff.kyoto.jp/film/ 中でも、鼎談で語られた『マヌケ先生』の話に興味を持ったので、早速拝見しました。

catch

一目惚れのような感じで、この作品が好きです。いつだったかお客様から「大林監督は、おもちゃ映画ミュージアムに来たら喜ばれると思うけど」と聞いたことがあり、その理由が分からないままに「いつかその時が来たら良いなぁ」と内心思い続けてきました。その夢は叶うことがありませんでしたが、映画祭で大林監督の特集をしてくださったおかげで、その理由が分かりました。大林監督の体験を元にした『マヌケ先生』の中で、おもちゃ映写機を膝に抱えた男の子(子どもの頃の大林監督)と出会ったのです‼

クレジットタイトルで流れているのが、手回し映写機を回すカタカタ カタカタという音。それだけで心をギュッと掴まれました。作品は、主人公の毬男少年が、物置で手回し映写機をカタカタ回しながら、一緒にあったキングフィルムの缶に入ったおもちゃ映画フィルムを手にするところから始まります。毬男はそのフィルムを手にお風呂に入ります。すると、フィルムに描かれていた絵がお湯で落ちて、「絵があらんようになった」。がっかりするかと思えば、さにあらず。絵が消えたフィルムに少年は、一コマずつ変化していく絵を描きます。その主人公の名前がマヌケ先生。その続きは、こちらをご覧下さい。https://kiff.kyoto.jp/film/detail/33 少年時代、最初に監督した宝物のフィルム『マヌケ先生』は、今もご自宅にあるそうです。

広島で軍医をしていた父親が「夢中になれることに一生懸命だったら、神様が道筋を作って下さる」と毬男に言い、同じ台詞を尾道で町医者をしている祖父も言います。「夢中になれることを見つけた人は幸せだ。好きなことに一生懸命やっていれば、神様が道筋を作ってくださる」と。実は祖父が毬男の父に言って聞かせた言葉が、巡り巡って父から息子に言い伝えられていたのです。

終わり頃に戦地から戻った父親が毬男に言った言葉も頭に残りました。「賢いということは正直ということだ」。昨今の為政者の言動が頭に思い浮かび、その逆を思い浮かべながら「当たっているなぁ」と苦笑してしまいました。

三船敏郎賞に輝いた小林稔侍さんもキャメラマンの役で登場し、外国人映画監督の役が大林監督だったこともサプライズでした。昨日の小林さんのスピーチは、ちょっと記憶に残るものであろうと思います。一言ひとこと、言葉を選んでゆっくりお話されました。もっと賑やかにお話しされる方だろうと勝手に想像していたので、渋かったです‼

この作品のモチーフは『海辺の映画館』にも活かされているそうですが、まだ見ていないので、どこかで上映されるなら観に行きたいです。おもちゃ映画に関心がある方は、ぜひ今夜中にチケットを申し込んでご覧下さい。お勧めします‼

そして、昨日のクリエイターズ・ファクトリ-の表彰について記事では載っていませんが、優秀賞17作品の中からグランプリに輝いたのは、山元 環監督『ブラック』(2020)でした。https://kiff.kyoto.jp/film/detail/174

彼は大阪芸術大学映像学科卒業生。発表は審査員が揃った東京の会場であり、全17名の優秀賞受賞者とはオンラインで繋がっての中継でした。山元さんの名前が発表された瞬間に「おおっ」と連れ合い。私が勝手に娘のように思っている岡村峰和さんの名前じゃなかったのは残念でしたが、連れ合いの教え子がグランプリに輝いたのはとっても嬉しいです。ネットの向こう側にお兄ちゃんの康輔さん(芸人さん)、双子の兄駿さん(俳優)、双子の弟にあたる環さん(映画監督)の山元三兄弟が映っていました。三兄弟で結成する「FUTANOGO」の作品。良かったですねぇ。映画館で公開できるようになれば精一杯応援したいです。彼の作品も含めた優秀賞17作品は無料で上映していますので、ぜひクリックしてご覧下さい。今夜23:59 までチケットは入手でき、明日19日12:00迄の期間中に視聴できます。

私も今から、山元さん、岡村さんたちの作品を拝見します。楽しみです!!!!! 

 

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