おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2021.03.22column

第44回日本アカデミー賞協会特別賞受賞の池端松夫さん

3月19日東京都内のホテルで開催された第44回日本アカデミー賞授賞式で、協会特別賞を受賞された池端松夫さん。その翌日に真新しいキラキラの楯を見せに来てくださいました。

「以下同文」というのがよくあるパターンだと勝手に思っていましたが、しっかり池端さんのこれまでの活躍について文章に書き綴られていることに先ずは驚き、改めて凄いなぁと思いました。この日受賞されたそれぞれの人が手にされた楯は、賞の名称や文面は異なれども、皆さん、これと同じ楯を受け取られたのだそうです。今後、この楯を目にする、ましてや手にすることはあり得ないので、テンションが高まりました。

せっかくの機会なので、居合わせた皆で記念写真を撮りました。撮影して下さったのは、番組の下調べでお越し下さったNHK大津放送局のディレクターさん。右の二人は、大阪で美術を学ぶ女子高生さん。めったに無い機会だからと彼女たちも一緒に池端さんの話を聞かせて貰いました。

受賞は文化庁功労賞など、これで5度目なのだそうです。正しく映画美術に於ける塗装の第一人者。映画500本、Vシネ、テレビのスペシャル番組などこれまで手掛けた作品は約6000本を数えるそうです。多いときは月に4本、年間48本。主な映画会社が5社あり、映画会社の垣根を越えて仕事を依頼されたので年間240本。オープンセットが背中合わせにあるなど、多忙で賑やかだった映画界でした。今京都で製作される映画は少なくなっていますが、今年京都映画賞が創設され、優れた時代劇作品を表彰する「最優秀作品賞」、技術者にスポットを当てる「優秀スタッフ賞」、未来の時代劇製作者を支援する「奨励賞」がありますので、また往時のように「時代劇の京都」として活発になると良いなぁと思います。

「映画は影の力で動いている」と池端さん。俳優さん達ばかりが話題になりますが、裏方さん達の力がなければ良い作品は作れません。「みんなと一緒にならなければ、良い作品は撮れない。いちばん役者に感動して貰わなければならない。良い演技をして貰うために良いセットを作る。年数を重ねて経験を積み重ねること。一番大事なのは好きになることやな」「『瀬戸内少年野球団』の時は、空き家になっている家から襖や七輪などを貰ってきてセットにした。現地の人はゴミとして処分しないといけないものを活用して貰って喜んでくれた。この仕事は面白い。体で覚える。興味を持ったら楽しい。人間との出会いは大きいので、できるだけいい人に出会うと良い」と若い二人に向かって話ながら「先輩等のおかげで賞を貰った。今度は後輩に残さなあかん。先輩として夢を若い人に与えなきゃいけない」とも仰って。1963年15歳の時に東映京都撮影所に入って58年。楯に「半世紀を超えて映画美術の現場を支え続けた功績を讃え、当(日本アカデミー賞)協会は協会特別賞を授与します」とあります。

栄えある特別賞を受賞された池端さんは、私どものミュージアム改装時に手助けして下さった大恩人でもあります。東映美術のデザイナー石原昭先生の一声で、入院中に病院から駆けつけ、病院に戻るという今から考えたら、その無謀さに冷や汗がでますが、池端さんが来て下さり塗装を手掛けてくださったおかげで、開館出来たようなもの。池端さんとお会いしたのは、この時が最初でした。

オイルステンを塗って、拭いて、それを繰り返して周囲とマッチした色合いにする「汚し」の技術は、池端さんが編み出した方法だそうですが、今ではそれが普通になっています。この写真でも同様に、真新しい部材に「汚し」をかける池端さん。お客様から「良い空間ですね」と言って貰えているのも池端さんほか、東映映画美術ベテランさんたち、「春組」代表の宇山隆之さんたちのおかげです。改めて関わってくださった皆様に御礼を申し上げます。

そして、表彰式で受賞された翌日に、こうして披露して回ってくださる池端さんの心遣いにも感動します。

池端さん、この度の日本アカデミー賞協会特別賞受賞、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます㊗️㊗️㊗️㊗️㊗️

【3月27日追記】今朝一番に池端さんが来館。親しくさせて貰っている原田徹監督が、池端さんの写真を掲載したFacebookをみて「太秦のミック・ジャガー、池端さん❗」と書き込んで下さったことをお伝えしたら、「関西では『まっちゃん』と読んでくれるけど、関東では『ミック』と呼ばれる」と仰って。池端さん、恰好良いですものね💖 これからも体に気を付けて、ご活躍ください!!!!!

 

 

 

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