おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.05.10column

小冊子6『京都の映画館文化』が国立映画アーカイブの企画展で紹介‼

5月9日に映画史家山口博哉さんから「国立映画アーカイブでおもちゃ映画ミュージアムの刊行物が展示されていた」と教えてもらいました。その展示の様子がこちら。右下に『京都の映画館文化』とタイトルを書いた当館の小冊子が並んでいます。

この小冊子については、こちらで詳しく書いていますので、よければクリックしてご覧ください。昨日執筆して下さった竹田章作・立命館大学教授にも展示されていることをお伝えしました。

5月1日に「東京のフィルムアーカイヴで『京都の映画館文化』という冊子が展示されているのを見ました。内容を見てみたいのですが、購入はできるでしょうか。」という問い合わせをいただいたのですが、その理由が山口さんからの情報で分かりました。展示のおかげで広く知って貰うことができましたので、展示を担当された岡田さんに心から御礼を申し上げます。なお、問い合わせいただいた方には、代金と郵送料をご入金いただいて、早速昨日お送りしました。

以前、名古屋、堺、鎌倉、西脇のご当地映画館について、こちらで書いたことがあります。こうした取り組みが日本各地で進めば面白いですね。何しろ映画はかつて娯楽の王様でしたから、国内いたるところに映画館があって、人々を大いに楽しませてくれる場所でした。

国立映画アーカイブの展覧会「日本の映画館」は7月17日まで。3月末で閉館になったルーメンギャラリー(京都市内)は、ウェブサイトで書かれた閉館あいさつ文の中で、若い学生さんによる「暗い処で他人と一緒に並ぶのは意味不明」という言葉に心が折れたとお書きでした。その言葉に読んでいる私も心が折れる思いでいます。来館いただいた方とよくこのことについて話すようになりました。たまたま居合わせた様々な経験を異にする老若男女が大きなスクリーンを見ながら、感動して泣いたり、可笑しくて笑ったりする、それが楽しいのだと思っていましたが、今やそうでもない時代に変化しているのだと思いました。

小さいころからみんなで映画を見る体験をしていないから、その良さに気付いていないだけなのかもしれません。そういう場を経験させてあげることも大切だと思います。私が子どもだったころは、学校の講堂で上映会があったり、学校から団体で映画鑑賞に出かけたり、神社の秋まつりの時に境内で上映会があったりして、その日が来るのをワクワクして待ったものです。チラシ裏面に「インターネット配信による鑑賞がますます根づき、また新型コロナウイルス感染症のあおりで映画館運営が厳しさを増す現在、本企画は、映画館に人々が集うことの意義を再び確認するとともに、映画の持つパワーを映画館という場所から捉え直す好機となるでしょう」と書いてあります。

小さいお子さんをお持ちの方は、ぜひお子さんに映画館で映画を見る経験をさせてあげてください。以前若い女性が「自分は映画をよく知らないから、大勢で1本の映画を見る経験をしたい」と言ってくれたことがありました。鑑賞後の意見交換で他の人の意見を聞いて「そういう見方もあったのか」と気付いたり、喜怒哀楽を共にしたり。こういう経験の積み重ねも他人を理解することに繋がり、優しい社会になると思うのです。

東京へ行かれる予定がある方は、ぜひこの展覧会にも足をお運びください‼

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