おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.03.28column

二日連続上映会、一日二部制上映会を終えて(2)

3月5日に欲張って2つのプログラムを開催しました。

大森くみこの玉手箱 - コピー阪妻特集(モノクロ版) - コピー

 あれから、片岡一郎弁士は欧州での仕事をこなし、と一時帰国の慌ただしい中でのご出演でした。一年の半分は欧州を拠点に活躍されています。私もミュージアム運営に関わるようになって知ったのですが、無声映画の台本は、全て活動写真弁士の方が書かれます。「喧嘩安兵衛」は片岡さん持ち込みなのですが、他に上映した当館所蔵の阪東妻三郎が出ている玩具映画24本は、欧州から帰国してすぐ、東京の早稲田大学坪内博士記念演劇博物館に籠って勉強されて書かれたそうです。

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今回試みにスクリーンの向きをいつもと変えて上映しましたので、私は弁士さんのすぐ横で見ていましたが、力がこもり、迫力満点で大変な熱演でした。「さすが‼」の一言です。

この日は第一部の演奏をしてくださった鳥飼りょうさんが、急遽、片岡さんの演奏もしてくださることになりました。片岡さんはご自身のブログ「閑話休題」で、「私は初の手合わせ。普段慣れた演奏者の方と演るのも楽しいですし、それが基本ですが、たまには違う方とお仕事するのもこれまた楽しい」と書かれていますが、当の鳥飼さん自身も、公演後に受け取ったメールで「本当によい時間を過ごさせていただくことができました。良い機会をありがとうございました」と綴られています。

普段は、無声映画×活弁×生演奏の「深海無声團」メンバーとして活躍されていて、そこではパーカッションとトイ楽器を担当されています。今回は会場の都合で、キーボードとトイピアノを持参していただきました。知り合ったときから「おもちゃ映画ミュージアムにトイピアノは絶対合う‼」と思ってこの日が来るのを待ち焦がれていました。そしてその演奏は見事で、参加していただいた皆さんも大いに堪能されたことだろうと確信しています。

後先に書き出してしまいましたが、第一部の「おもちゃ映画de玉手箱」も、可愛らしさ満載の公演でした。愛らしく、太陽のように明るい大森さんの良さがおなか一杯に味わえ、大満足。会場には念願の小さな子どもたちも来てくれて、大きな笑い声。つられて大人も大笑いと、楽しい時間でした。一部、二部とも大森さんの司会進行で和やかな中、繰り広げられたことも良かったです。両イベントの成功は、ひとえに大森さんの大活躍あってこそと、心から感謝しています。

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最初に、かつて連れ合いが東寺の骨董市で見つけた影絵「てんぐのはうちわ」を上映しました。影絵そのものは、昔懐かしい紙芝居と同じ大きさのもので、本来はOHPで楽しんだものですが、大勢の方に一度に観ていただけるようデジタル映像にしました。ミュージアムを閉館した後、二人で紙芝居を上演。富山弁が抜けきらないままの私が操作しながらセリフを言い、連れ合いが撮影するという簡単な作業ですが、「ちゃんとしろ!」「もう一回‼」と罵倒し合いながらの消耗戦。疲れ切りましたが、思い出も籠った作品です。その映像データをもとに、プロの大森さんが面白く、楽しく語ってくださり、それに鳥飼さんの演奏が付くと、観客は投影される影絵の世界にすっぽり入り込んでいました。最後の最後のところで、マイクのトラブルで爆音がしたのには、ホント心臓パクパクものでしたが、「与八の霊が現れたのでしょうか…」と大森さんの咄嗟の機転で切り抜け、かえって大うけ。

次のアメリカのアニメ「南京街」は、欧米でのサイレント映画上映のように鳥飼さんの演奏のみで。トイピアノの良さも味わっていただけたと思います。続く「お楽しみおもちゃ映画特集」は所蔵するアニメの中から大森さんが選んだものを編集しました。彼女が選んだのは、日本昔話。浦島太郎、花咲じいさん、一寸法師などから成り、一押しは桃太郎見比べシリーズだそうです。桃太郎4作品を続けて上映しましたが、どれひとつキジの活躍が全くないのが面白く、それが選択の理由だとか。その面白さは、その後の参加者と交わした会話からも聴かれ、大森さんの狙いは大ヒット。

大森さんによるおもちゃ映写機実演に続き、参加してくれた子どもたちによる映写機操作体験や今開催中のムービーレコードも紹介するなど、オオモリさんの苗字そのまま「大盛」なイベントとなり、楽しんでいただくことができました。第一部に来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

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 そして、第二部終了後の記念写真です。この後懇親会が延々と続き、楽しい時間を共有することができました。皆様本当にありがとうございました。

 

この後大森さんから届いたメールを紹介します。

…お昼の可愛らしいアットホームな雰囲気のお楽しみ会は、私自身もやってみたいなぁと思っていた企画でした。子供の頃はお楽しみ会や地蔵盆・お祭が大好きだったので。子供たちが大いに笑って楽しんでくれたのが何より喜びです。今回こうした企画が実現出来嬉しい限りですが、もっと進化させた内容を今後作ってゆきたいなぁと思います。

片岡一郎弁士とご一緒出来たのも大変貴重な経験となりました。実は弁士同士のコラボレーションとは特に関西では珍しい事で、また、東西での交流といえばここ近年は皆無だったのではと思います。それがこうして実現できたのは、おもちゃ映画ミュージアムと片岡一郎弁士のおかげです。

もちろん昨年の山崎バニラ弁士とのコラボレーションがあったからこそですが、それに続きこうした交流の場が持てたことは関西の活弁界において前向きな新しい布石に違いないと勝手に私は思っております( ^^) 

そうした意味でも今回の企画はとても意義のある企画だったのではないでしょうか。…

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 片岡さんは、先に引用したブログ「閑話休題」でも、こう綴られています。

…近年関西での無声映画上映を牽引している感のある大森くみこさんの会が御座います。そして大森さんの会が終わった後に、僕が出演する第6回無声映画の夕べがあるんですね。つまり兄弟企画なので御座います。こうやってね、大森さんの出演する公演を自分のブログで紹介するにあたっては、色々と思うことがありますよ。(略)こうやって良いこともありますから、弁士ももう少しやって見ても良いかもしれんと思うのです。西と東を繋いでいきましょう。それはずっとやりたかった事だから。…

いつもながらイベントごとの動員には苦労しますが、こうして当日の出演者3人から、良い経験になったと言ってもらえたことが、私どもへの何よりのご褒美です。重ねて、当日来館いただきましたお客様、そして心よく出演していただきました3人様に心より御礼申し上げます。

なお、この日は時代劇専門チャンネル『時代劇ニュース オニワバン!』の取材も行われました。同番組の中で、「むかしの映画に出会える場所」として、当館が紹介されるそうで、その活動の一端として撮影していただきました。放送予定は5月だそうです。

 

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