おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2016.06.27column

「国際平和映像in京都」から

6月11、12日の二日間にわたって開催した「国際平和映像祭in京都」については、いずれ講師をつとめられた11日講師の同映画祭理事・髙橋克三さん、12日講師の映像作家・丹下紘希さんからレポートが届くと思いますので、しばらくお待ちください。髙橋さんは忙しい仕事の合間を縫って、前日東京から京都入りされ、11、12日の準備に寝る間を惜しんで没頭。この熱意をもっと多くの方に伝えたかったのですが、当方の呼びかけが足りず、少人数での開催となったのが残念です。

しかしながら、呼びかけに集まってくださった人々は、髙橋さん同様皆さん、熱い人ばかり。1日目は最初に、国連が定めた「国際平和の日」(9月21日)の謂れと、国際平和映像祭について学びました。その後、過去の国際平和映像祭受賞作品の数々を鑑賞。7月21日まで同映画祭が募集している作品について説明を受けたあと、早速テーマである「一日で物語と映画を作るワークショップ」を開始。

DSC05299-2 (2)各自が自己紹介を兼ねて、身近にある壁や地面、マンホールなどの凹凸を鉛筆でラビング(拓本)します。ラビングした絵を持って、リレー式に写真を撮っていきます。撮影した人がその写真を示し、写された人がどうして、その物をラビングしたのかを説明しながら、次から次へのバトンタッチしながら自己紹介を続けます。初めて出会った人もそんな作業の中で馴染みになっていきます。昼食を挟んで午後からは、2組に分かれて活動。題材やテーマなどキーワードになる言葉を一つ選び、それぞれに配られた写真の中から2枚ずつ選び、物語の冒頭と展開を考え、話し合いながらストーリーを紡いでいきます。更に話し合いを重ね、想像力を駆使しながら、気付いたことがあれば付箋などで加えながら画面構成を考え、コンテを組みます。それをもとに、演技をする人と撮影者に役割分担を決定。

シーンごとにリハーサルをし、本番撮影。なにしろ一日で物語を作って映画を仕上げ、上映までするのですから、のんびりする暇はありません。テキパキ、テキパキ、立派なものです。iMovieで予告編と本編を作り、著作権フリーの音楽も付けてできた作品は、完成まで4時間。2つの作品を上映し、皆で鑑賞した後は、DVDに焼いてそれぞれが土産に持ち帰りました。

では、1グループの成果をご覧ください。タイトルは「ダーリン&ハニー」。その予告編本編です。

残念ながらもう1グループはYouTubeにUPの許可が下りず、公開できませんが、私そっくりな役の女性が登場し、ゴミ同然のようにトッ散らかった亭主のコレクションに対し、文句を言っている場面が2階で撮影されました。物語を紡いだ3人のうちの一人に、「まるで我が家の再現のようね」と言いましたら、彼曰く「うちでもいつも小言言われていますから」と笑っていました。連れ合いは約10年のコレクションですが、笑っている彼は30年のコレクション歴で、自宅はもちろん、奥様の実家までコレクションで占領しているそうです。完成した映像をお見せできないのが残念です。

このあとは、いつも同様に茶話会。和やかなうちに1日目は無事終了。髙橋さんのお疲れもピークだったかも。大人が子どものようにはしゃいで楽しい光景でした。

二日目の12日は、最初に過去の国際平和映像祭グランプリを受賞した作品の数々を鑑賞しました。それは、中国、韓国、イランなどの外国作品や奥田愛基さんの作品など。国際平和映画祭は2011年から毎年JICA横浜で開催され、今年も9月21日に前夜祭、本祭は22日に開かれます。

 続いて、丹下紘希さんによる特別授業「平和を疑え」。最初に見た印象的な映像は、YouTubeに投稿した丹下さんがトルコ語で語る「あなたを心配する手紙」。未だ福島原発事故の先が見えない中、日本の首相がトルコに原発を売ったことを恥ずかしく思うと同時に、トルコの未来を心配する気持ちをまっすぐ前を向いて語ったビデオレターです。トルコと日本が原子力協定を結んだのは、STAP細胞研究・小保方春子さんの話題で一色だった時。いつも日本政府のやり方はドサクサに紛れて重要なことをやってしまう姑息さがありますが、この時も同様に。メッセージはトルコ軍を有する政権に反対することになり、それまで、広告やミュージックビデオを作る立場だった丹下さんにとっては勇気がいる行動でした。トルコはYouTubeが禁止されていますが、新聞に載って、あっという間に拡散し、トルコで原発に反対する多くの人々が検索したということです。

そして、彼のメッセージを受けて、今度はトルコから日本語のビデオメッセージが届きました。丹下さんの勇気ある行動に感謝し、福島の人々を励ます温かい思いに溢れた内容でした。紹介しながら丹下さんの目に感動の涙が浮かんでいたのを忘れることはできません。

2004年に、日本が戦争へと近づいているのではないかと危惧した人々によって絵本「戦争のつくりかた」が出版されました。その後3.11を経て、福島を犠牲にすることを最初から織り込んだ原発政策への疑い、2012年自民党の改憲に向けた動きを危惧した丹下さんは、この絵本を映像にしようと同業者に呼びかけて、NOddINを結成されました。NOddINを逆様に見るとNIPPONです。40人近いクリエーター、制作者が集まり、1年以上をかけてできたのが今回上映されたアニメーション「戦争のつくりかた」です。タイトルは過激ですが、逆説的に「平和のつくりかた」をテーマにした作品。子どもにもわかるように作られていますが、映像を見ていると、まさしく今の日本は、戦争ができる国に向かっているように思われてなりません。

戦後日本が守り続けてきた平和憲法、民主主義、言論の自由などが、脅かされています。NOddINは、テレビやネットなどで「事実」として拡散され与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、新しい視点、疑いの目を持つことの重要性を訴えています。曰く、戦争を疑え、平和を疑え、権力を疑え、主義を疑え、テクノロジーを疑え、自分を疑え、言葉を疑え…。講義で「批判は市民の剣」という言葉が印象に残りました。折しも7月9日は参議院選挙の投票日。市民の剣を表明する日です。現政権の危なっかしさは目に余ります。暴走を許さないためにも、政治や選挙に関心がない人々に、棄権せず必ず投票しようと呼びかけることも大切です。

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 特別授業の後、まだ明るいうちからビールとワインを飲みながらいつもの交流会。いくつもの未来へ向けての話が弾んだようです。その一つに、今年の京都国際インディーズ映画祭で「戦争のつくりかた」が上映できるかもしれません。実施の運びになれば、まだご覧になっておられない皆様にも是非ご自分の目で、心でご覧になっていただきたいと願っています。

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 当日参加してくれた「タオルマン」が提案して皆で寄せ書きした色紙。2013年5月11日に開催された「遊子庵5周年記念祝賀会」で、初めて彼に会って以来の再会。お金がないけど似顔絵を描いて世界中を旅すると言っていた自由人。折りに触れ、どうしているかと思い出していましたが、まさかこの日に再会できるとは‼ いやはやびっくりしました。

 

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