おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2015.02.23column

コダック映画用フィルム供給について嬉しいニュース

2月4日米国のイーストマン・コダック社は、ハリウッドの主要映画スタジオである20世紀フォックス、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザーズ・エンターテイメント、NBCユニバーサル、パラマウントピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズの6社と映画・テレビ番組製作用フィルムの供給について最終合意したと発表しました。同社CEOのジェフ クラーク氏は「映画スタジオの支持を得て、コダックはその比類なき豊かな映像と独自のテクスチャー(質感)を誇る映画用フィルムの提供を続け、映画製作者がその芸術性とストーリーを伝えていくお手伝いをしてまいります」と述べておられます。

2013年8月24日に開催した第8回映画の復元と保存に関するワークショップでは、同社の稲見成彦さんに「コダックの今後の役割『なぜ フィルムなのか』」の演題でお話頂きました。最初に「新聞は好意的に書いてくれない。コダックは終わりだとオチを付けてくれる。今日は真実を発表する」と切り出されました。日本では国を挙げてデジタル一辺倒ですが、コダックは今も世界中にラボがあり、ローコストで100年単位の保存が可能なフィルムを開発すると同時に、フィルムカメラの開発も進んでいるそうです。講演の最後は「フィルムによる映像製作は続き、業界のニーズに応じて開発は続く」と力強く締めくくられました。

今回の発表はその姿勢を裏付けるもので、大変心強く思いました。オスカー候補作品「6才のボクが、大人になるまで。」「グラウンド・ブダべスト・ホテル」「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」「インターステラ―」「フォックス・キャッチャー」「リヴァイアサン」等々がフイルムで撮影されました。さらに、これから公開される「スター・ウォーズ フォースの覚醒」「ミッション:インポッシブル5(原題)」「バットマンVスーパーマンドーン・オブ・ジャスティス(原題)」「ジュラシック・ワールド」「シンデレラ」などがコダックのフィルムで撮影されているそうです。

日本ではフィルム原版を持たない「ボーンデジタル」作品が急増。手軽に誰でも撮れる時代になりました。でも劇場で上映されるのはほんの僅か。後世に残るような質の高い作品製作とその保存のためにも、日本の映画製作関係者にもフィルムの良さをもっと知ってもらいたいと思います。

http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/corp/news/2015/0216.shtml

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