おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2015.05.25column

開館1週間(2)

午後は関西テレビの取材を受けました。開館前にも取材を受けているのですが、来館者の様子も撮りたいということでこの日に。「予定の時間になっても来館者がいなかったらどうしよう」と心配しましたが、杞憂でした。マニアックな世界と形容できるかもしれない「おもちゃ映画ミュージアム」ですが、そういう人は、ややこしいミュージアムの場所をものともせず足を運んで下さるありがたさ。それぞれ知識を豊富にお持ちですので、お話を聞いていると勉強になります。

DSC02231インタビューを受けている人もその内の一人。

 これまで京都新聞、日経新聞、朝日新聞、毎日新聞がミュージアムのことを取り上げ、紹介していただきました。それらの記事を読んで、自宅にある古いフィルムのことを問い合わせてくださる方が何人もおられます。この日も記事を読んで、1コマフィルムを集めたものと、16㍉フィルム(原版とプリント)、フィルム缶2個を持参された方がおられ、寄贈していただきました。

1コマフィルムは、提供者が小学生の頃、駄菓子屋さんで購入したものだそうです。1コマずつ新聞紙で作った袋に入って「あてもの」として売られ、中身が欲しい物じゃないとがっかりしたとか。値段は子どもが買える程度。コマ帳用に、タイトルをデザインしている人もいたようです。1コマずつをプリントして持参された写真には、国民的映画スター第1号の尾上松之助が写っているものが何枚かあり、早速尾上松之助遺品保存会代表の松野さんに連絡します。きっと喜ばれると思います。

 DSC02234DSC02237

16㍉フィルムも一緒に見ました(手前椅子に座っておられる人が寄贈者)。上手な体操競技の様子が撮影されていました。フィルム缶に入って保存されていたので、酸化濃度が高く、酸っぱい臭いがして劣化しているのがわかります。

これらの寄贈品は、きちんと管理保存して、寄贈者の思いを引き継ぎ、有効に活用したいと思います。

最後に入館されたお客様は、かつてこの博物館のすぐそばに住んでおられた方でした。「この家の北庭に友禅を木枠に張ったものが何本も干されていた」と子どものころ見た光景を話してくださいました。彼のおじい様は相撲取りで、四股名は「近江富士」。黒澤明監督が脚本を書いていた頃の初期作品「土俵祭」に相撲取りの役で出演もされたそうです。同作品は鈴木彦次郎原作、丸根賛太郎監督、宮川一夫撮影、片岡千恵蔵主演の1944年大映作品です。「千本三条界隈は芝居小屋や映画館がたくさんあって、おじいさんも映画が大好きだった」と思い出を語ってくださいました。

この出会いもまた「縁は異なもの味なもの」。一日店番をしていると、いろんな人と出会えて面白いです。今日は初めての休館日ですが、明日からまた頑張ります。

 

 

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