おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2016.01.03column

昭和5年のお正月

スキャン_20151102 (4)

昭和5(1930)年に発行された子供用雑誌に掲載された写真。玩具映写機で子供たちが見ている映像は何でしょうか?お兄ちゃんの楽しそうな目、好奇心いっぱいの弟の目。

ハガキを送れば、美しいカタログを送るとの広告。彼らが手回ししているライオン製の活動写真機7号(6尺写真巻き取り機付き)は、ミュージアムにもありますが、価格は、この広告によれば26円。今のお金に換算するといくらなのでしょう?ネット検索すると、昭和5年の巡査初任給45円、国鉄の初乗り料金5銭。簡単にどこの家庭でも買える玩具とは言えませんね。もっと高いのはフィルムで、「1尺8銭より」と書いてあります。1尺=約1Feet=約1秒(サイレント映画のスピードで)。ミュージアムで所蔵しているおもちゃ映画のほとんどは「20秒から3分程度」といつも説明していますから、それらは「1円60銭から14円40銭」となり、相当高価だったと言えます。

 

ウツル!ウツル!

ステキニ ヨク ウツル キカイデス

みなさん はやく うつしませう。

お正月 家中みんなそろって

くわつどうしやしんをうつすのは、

どんなにたのしいことでせう。

子どもを喜ばせてやりたい親心をくすぐる文言が連なります。前年にニューヨーク株式相場が大暴落、世界恐慌が始まり、昭和5年昭和恐慌が激化。翌昭和6年9月に満州事変が起こります。広告は嵐の前の静けさと言えなくもありません。この後の歴史を思うと、戦争は二度と繰り返してはならないと強く思います。穏やかなお正月の光景が、この先もずっと続いて欲しい、そう願う初春です。

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