おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2017.07.19column

7月2日、錦影絵上演とワークショップ

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 7月2日錦影絵池田組による上演「虚実皮膜の間」とワークショップ「作って映そう錦影絵」を開催しました。狭い空間ゆえ大勢の方に観てもらいたい、体験して貰いたいと思いつつ、不測の事態に備え、入場をお断りした方々には、誠に申し訳ございませんでした。錦影絵への関心の高さに、改めて凄いなぁと思っています。

今回は2階で演じていただき、観客の皆さまには1階のホールから大きなスクリーンを見上げる形で投影される影絵を楽しんでいただくスタイルで上演しました。2階もモノであふれていましたが、演者が動き回れるスペースが必要なので、池田組所属の大阪芸大の学生さんたちには、前もっての片付けからお手伝いいただきました。当日も朝から荷物の搬入やスクリーンの設置、ワークショップの準備などで皆さん大忙し。

上演したのは錦影絵小咄「憑いてない日」と錦影絵小品「花輪車」「曲独楽」。あいにく裏方をしていたので、その写真はないのですが、ずっと子どもたちの笑い声が聞こえて、良い感じでした。とりわけ独楽が紐の上を落ちずにスイスイ左右に動くのがウケていたみたい。そんな風に演じられるのは、スタッフの皆さんの日頃の努力からなる阿吽の呼吸でしょうか。

上演後、休憩をはさんで、ワークショップ。DSC01349 (2)3班に分かれて作業開始。それぞれの班ごとに、短い物語が用意されています。スライドキットを組み立てて、種板(スライド)を作ります。今は物語に登場するキャラクターの絵を描いているところ。

DSC01351 (2)みんな真剣そのもの。

DSC01354 (3)手前のテーブル向かって右端におられるのが、京都最後の幻燈師・歌川都司春のお孫さんの山田哲寛さん。その隣が奥様。お二人には、今年4月9日に来館いただき、錦影絵の聞きとり調査をさせていただきました。その時の様子はこちらです。今後も継続して調査ができれば良いなぁと思っています。

DSC01362 (3)最初の班から順に2階に上がって、先ずバッテリーが入ったリュックを背負います。次に池田組スタッフから、「風呂」と呼ばれる幻灯機と仕掛けスライド「種板」の操作の仕方を教わります。ヒノキで作った「風呂」は軽いので、子どもたちも操作できます。これは壁に映しながら操作を練習中の様子。

DSC01367一斉に映せばこんなに綺麗。色鮮やかなことから上方では「錦影絵」と呼ばれていたことが実感できますね。ちなみに江戸では「写し絵」と呼ばれていました。

本番では、壁ではなく、右に90度回転したところにある窓枠に設置した美濃和紙で作った大きなスクリーンに映します。鳴り物や口上に合わせてそれぞれが「風呂」を操作しながら物語を展開していきます。スクリーンに近づくと小さく映り、逆に離れると大きく映ります。グルグル回したり、あるいは、手をかざしたり、黒い布をヒラヒラさせたりと様々に影を演出します。

最後の班が上演する様子を動画撮影しましたので、こちらをご覧ください。

DSC01380「風呂」は靴箱やお酒が入っていた紙箱を利用しても作れると、講師の池田光惠・大阪芸大教授が説明しています。この日の参加者には、その作り方の説明書と、もうひとつスライドキットをプレゼントしたので、ヒノキの「風呂」がなくても家庭に帰って自分で作って楽しむこともできますね。

DSC01382ずらりと勢揃いした錦影絵池田組のメンバー。お疲れさまでした。9月23日(土)14時と17時、東京の国立劇場小劇場9月特別企画公演「映像文化と語り芸」に、錦影絵池田組が出演されます。当日は片岡一郎さん出演で幻燈、澤登翠さん出演で無声映画上映もございます。詳しくはこちらをご覧ください(ポスターに当館所蔵幻灯機が使用されています)。ぜひ予定表に書き込んで、お出かけくださいませ。

DSC01386 (2)ワークショップを終えて、最後にいつもの記念撮影。皆さんとても良い笑顔です。指導して下さった池田先生は、翌日のメールで「学生さんたちが1日でグンと成長した」と書いてくださいました。彼ら彼女らにとっても良い経験になったのだと思います。皆さま、本当にありがとうございました‼

 

 

 

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