おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2017.10.18column

京都国際映画祭2017、私の見聞録~10月14日編(その1)

10月13日(金)は、日本アニメーション界のレジェンドたち「G9+1プロジェクト」の原画展最終日前日とあって、それを見に来て下さった方、国内外のアニメーション界の巨匠たちが1985年夏に描いた驚き盤を見に来て下さった方、そして、「超新星」のソンジェさんが主演する映画『Guest House』をご覧になった後、立ち寄ってくださった方などで、賑わいました。で、映画祭自体は見に行けなかったので、私の見聞録はありませんが、京都国際映画祭のサイトにレポートが上がっていますので、そちらをぜひご覧ください(URLを貼っておきます)。

☆映画探偵が発掘した映画たち~『私のパパさんママがすき』発見(13日11時~、大江能楽堂)

上映作品:『魂を投げろ』(1935、少女時代の原節子が出演)、『自来也』(1925、当館所蔵。新発見で初公開、日本)、『黒白双紙』(1925、日本)『私のパパさんママがすき』(1931、子ども時代の高峰秀子出演)。

出演:活弁・片岡一郎、演奏・上屋安由美、解説・高槻真樹、歌唱・大森くみこ

☆伝説のコメディエンヌ~麗しのハリウッドの大スターたち(13日13時50分~、大江能楽堂)

上映作品:『優雅な水遊び』(1924、フランス)、『デブ嬢の海辺の恋人たち』(1915、アメリカ)、『危険な娘』(1916、アメリカ)、『固唾を呑んで』(1924、アメリカ)。

出演:活弁・坂本頼光、演奏・坂本真理、解説・新野敏也

最強のコメディ特集~喜劇映画アラカルト(16時半~18時、大江能楽堂)

上映作品:『ペギーのお手柄』(1924、アメリカ)、『イカサマ野郎』(1928、アメリカ)、『モロッコ製の女給』(1925、アメリカ)、『ポリドールVS.日本人』(1917、イタリア)、『最狂自動車レース』(1924、アメリカ)。

出演演:演奏・谷川賢作、渡辺亮、効果音と解説・新野敏也

☆13日の金曜日<ホラーと怪談映画>(19時10分~20時35分、大江能楽堂)

上映作品:『播州皿屋敷』(1924、日本)、『オペラ座の怪人』(1925、アメリカ)。

出演:活弁・片岡一郎、坂本頼光、演奏・鳥飼りょう、坂本真理

この様子はこちらをご覧ください。

今年は、連日たくさんの皆様に出演していただき、豪華で賑やかなプログラムとなりました。

 …………

さて、14日の私は、連れ合いより遅れてではありますが、特別にご招待したお客さまをお出迎えするため朝11時前に大江能楽堂に到着。でも、既に客人は到着。「あぁ、遅かりし、由良之助」。

「由良之助」はお馴染みの『忠臣蔵』に出てきますが、当館で2015年に発見した尾上松之助さん最晩年の『忠臣蔵』(1926)は大変大きな反響を呼びました。その尾上松之助さんに10歳の頃、頭を撫でてもらったことを、まるで昨日のことのようによく覚えておられる101歳の女性が件の客人。

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これは、9月20日、松之助さんのお孫さん(長男房吉さんの長女。奥に立っておられる女性)と前述『忠臣蔵』の池田富保監督のご息女(松之助さんの姪。一番左の女性)を、101歳の佐々木初栄さんにお引き合わせした時のもの。右端は佐々木さんのご長男(故人)夫人の千代さん。これまでも、何度か佐々木さんに昔のことをお聞きしていますので、よければこちらお読みください

この日サイレント・クラシック部門で上映するプログラム「こどもから大人まで楽しめるカツベン!」(12時~13時半)の演目に、約3分と短いものですが、当館所蔵の『自来也』(前日プログラムで初公開)が含まれていましたので、それを見てもらいたかったのです。9月に訪問した時に「子どもの頃、『自来也』は何べんも見た」とおっしゃっていたのを覚えていましたので、実際に今、動く松之助さんをご覧になったら、どれほど喜ばれるかと思いました。

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佐々木初栄さんと千代さん。大江能楽堂をご覧になるのも初めて。

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この日は大森くみこさんの活弁と、鳥飼りょうさんのピアノ、上沼健二さんのパーカッションによる生演奏でお楽しみいただきました。大江能楽堂の大江美智子様のご配慮で、車椅子から座席までの移動手助け、風邪を引かないようストーブの手配までしていただくなど大変細やかに気配りいただき、感激しました。

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上映作品:『おもちゃ映画de玉手箱』(1930年代の国産アニメを集めたもの)、『茶目子の一日』(1931、日本)『魔法のランプ』(不詳、アメリカ)、『自来也』(前掲)、『極楽うるさいヤツら』(1928、アメリカ)。

最初に大森さんが可愛らしい声で「おもちゃ映画de玉手箱♪」と歌って始まりました。昨年の京都国際映画祭で初披露したこのテーマソング、とっても良いですねェ。「さぁ、これから始まるよ」とワクワク感がいっぱいに。そして、絶大な人気を博した童謡歌手平井英子ならぬ大森さんの歌唱力でお客様の心を鷲掴みした『茶目子の一日』は秀逸でした。まだ余韻が私の脳裏に。アニメと実写が一体になった『魔法のランプ』を観た後、いよいよ『自来也』上映。分身の術など忍術もので、当時は大変な人気を博した作品です。

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司会のお~い!久馬さんが舞台から降りて、佐々木初栄さんに「如何ですか?」と声を掛けられましたが、あいにくこの日は耳の調子が悪く、うまく聞きとれなかったようです。でも、大きなスクリーンで、動く「目玉の松ちゃん」を見ていただけて、傍にいた私は十二分に嬉しかったです。おっと、うっかり忘れるところでした。大森さんによる活弁最後は、コテコテの関西弁でハーレル&ハーディの『極楽うるさいヤツら』。この二人、ボケとツッコミの始祖なんですって。

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当日佐々木さんから受け取ったお手紙。いつも思うことですが、本当に頭の良い方です。私との繋がりも2015年秋に受け取った達筆なお便りから始まりました。この日も、「昔は映画館に花道があって…」などと懐かしそうに話されたので、近いうちにまた訪問して、活弁・生演奏付き無声映画をご覧になって何か思い出されたことがないか聞きに行ってきます。これから日ごとに寒くなりますが、健康に気を付けてお元気で長生きして欲しいと願っています。

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その後急いで木屋町の元・立誠小学校へ移動しました。今一生懸命取り組んでいる「京都市政ニュース」のことを広く知っていただこうと、一部デジタル化されていた中から、1956年と57年の記録映像17本をご覧いただきました。

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10月7日付け京都新聞夕刊対向面に大きく掲載されたこともあり、14時からの上映会には行列も。改めて7日付け紙面を見ると、夕刊1面「夕刊の紙面」で「『京都ニュース』映画祭で上映へ」、コラム「三十六峰」でも「◆本編より記憶に残っていたりする数分間。懐かしいね。『京都ニュース』、上映へ。」と紹介してくださっていました。途中出入りもありましたが、多くの方が60年前の「京都ニュース」を関心をもってご覧いただきましたこと、心より嬉しく思っています。京都国際映画祭のレポートは、こちらをご覧ください。

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右端のワインカラーの女性(76歳)は、7日付け新聞のスクラップを持参して参加。紙面で1956年夏の戦争遺児が専用列車に乗って京都駅を出発し、靖国神社を参拝したニュースも紹介されていましたが、その参拝した市内の6年生500人の一人だったのだそうです。上映前には、「きっと、映像に映っている本人や身内、知人などがご覧になったら、懐かしく思われるに違いないし、新たな情報も得られるかもしれない」と連れ合いと話していましたが、現実になり、生の声を聞くことができました。

この女性が「市役所の近くにニュース映画専門の映画館があった」と証言されると、新京極で映画館の映写技師をやっていた男性が「新京極にもあった」と教えてくださいました。その男性は映像を見ながら「あっ、60年前のこの教室そのものが写っている!」と教えてもくださいました。見る人が見るといろんなことがわかるものです。

手応えを感じましたので、他にどういう映像があるのか、それがどのような状態なのか調べて、それらを保存して活用していくための手立てを、今後考えなければなりません。上映後にこの女性にお話を伺うと「ほんまに懐かしかった!」とおっしゃっていました。「京都市制ニュース」を京都市のお宝バンクに登録した後、「認知症予防に活用したい」との書き込みをされた方がありましたが、こうした映像は回想法に用いると効果があると、私も思います。

 

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