おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2015.07.20column

アジアからのお客様

1週間はあっという間に過ぎていきます。その7日間の印象深い思い出から。先週の土曜日は、台湾からのお客様。7月4、5日の「台北映画祭を観た」という大学の先生でした。映画祭でこのミュージアムのことを知ったので、夏休みを利用して来日されたと聞き、大感激。「今度は学生を連れてくる」とも言っていただきました。

日曜日は、シンガポール国立大学の男子学生さん。日本のアニメに関心があるそうです。今の日本のアニメは、海外でも見られるでしょうが、戦前の国産映画の様子も参考にご覧いただきました。丁度国立フィルムセンターの研究員がいらしたので、通訳して貰いながら、同国のアニメ状況などについて話をしました。

木曜日は、中国の女子学生さん。展示しているプレシネマの映像機器にとても興味を持ってご覧いただきました。実際に覗き、手で回していただきながら、どうして静止画が動いて見えるのかを体験。その後、やっぱり若い人にはチャンバラよりも、アニメが取っ付き易いようで、「怒涛のおもちゃ映画特集」を観ていただきました。戦前の国産漫画には、軍国少年育成を意図したような作品も含まれていて、「一般家庭では、国の意向を反映した親の語りによって、家族団らんの時にこうした映画を子どもたちに見せたので、子どもの頭に少しずつ小国民としての意識が入ってきた。今日残ったフィルムは、そうした状況の証しでもあり、教育の影響の大きさを窺い知ることができる。だけど、これからは互いに隣り合う国同士、仲良くしていきたいね」と話しました。

そうして雨の中祇園祭山鉾巡行が行われた金曜日にも、台湾からのお客様。

__ 1-5右から2人目の陳幼旻(チン ヨウブン)さん。台北映画祭でアテンドをしてくださった女性で、輔仁大学の文化研究所で翻訳学を研究しておられるので、日本語がとっても上手。来日直前のメールで同映画祭公式ブログに、活弁士大森くみこさん(着物姿)と解説して下さった羽鳥隆英さん(右から3人目)の二人が出演された時の観客との座談会の様子が詳しく載っていることを教えて貰いました。皆様も良ければクリックしてご覧ください。昨日は、羽鳥さんが研究する神戸映画資料館、そして夜に大森さんの活弁と演奏付き上映会を楽しまれたことだろうと思います。出会った縁を大切に思ってくださり、感激です。

陳さんに公用語の北京語を教えて貰いました。門劍劇はチャンバラ、放映機は映写機、數位はデジタル、膠捲はフィルム等々。羽鳥さんがミュージアムのことについて詳しく説明して下さり、それを公式ブログで北京語で書いてくださったおかげで、これからのお客様に理解していただく手がかりができました。語学の壁はとてつもなく高いと思う私どもにとって、とってもありがたいことです。

開館して2か月が経ちました。印象としては遠いところからのお客様が多く、それも海外からの研究者の方のご来館が多いように思いました。最初のうちは欧米が、そして台北映画祭が契機になってなのでしょうか、アジアからのお客様も足を運んで下さいます。「映画」をキーワードに、世界各地の人と交流出来たら素敵だなぁと思います。

DSC02606DSC02609 (2)写真は、みんなでパテ・ベビー(9.5㍉)の放映機で、膠捲のチャップリンを観ているところ。彼女から教えて貰った「活弁士」については、別に書きます。

さて、7月26日(日)に、羽鳥さんによる台北映画祭の報告と大森さんの活弁付「怒涛のおもちゃ映画特集」の再演をします。同時に大森さんと親交がある山崎バニラさんも駆けつけて下さり、「怒涛のおもちゃ映画特集・第2弾」を披露してくださいます。開演は午後5時から。一人でも多くの方にご覧いただきたいと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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