おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.10.23column

11月2~17日、北京電影学院動画学院で「持永只仁」展が開催されます!

今日10月23日は、「日中平和友好条約」発効から40年の節目の日です。政治の世界では、25日安倍首相が公式に訪中し、26日に日中首脳会談が行われるということです。

1972年に日中共同声明が発せられて国交が正常化し、先述の「日中平和友好条約」が発行されましたが、89年の天安門事件、92年の天皇陛下訪中、90年代半ばから中国で愛国主義教育が強化され、2005年中国各地で反日デモが繰り返されました。その後2012年に日本政府が尖閣諸島を国有化するなど、日中関係は協調と対立を繰り返しました。日中首脳会談で再び両国関係が改善に向かうことを期待したいです。

隣り合う国同士こそ仲良くしたいものですが、民間人で日中友好に尽力された人物のお一人に、人形アニメ―ション作家の持永只仁さん(1919-1999)がおられます。そのご息女・持永伯子(のりこ)さんからメールがきました。

 ……北京電影学院動画学院の学院祭が11月2日から4日まで同学院で開催されます。全国から応募された作品の中から優秀な作品が最終日の4日の式典で表彰されます。

また、学院祭と同時期の11月2日から17日まで、日本と中国の人形アニメーションの創始者でもある、「持永只仁」展が、学院内展示会場で開催されます。持永只仁は1985年から1986年まで、学院でアニメーションの講師として活躍しました。

持永の作品に登場する170体以上の人形、また中国とアメリカの作品の人形が展示されます。滅多にない機会です。興味のあるかたはどうぞご来場ください。……

 ということで、伯子さんに「勉強になるから」とお誘いいただいて、金魚のナントカよろしく付いて行くことにしました。伯子さんは、昨年の第17回「学院賞」にも招待され、その折に下掲チラシも持参して、当館のことを紹介する手助けをしてくださいました。同学院祭には中国全土からアニメーション作家、教師、学生が参加し、持永さんの名前が冠された「持永只仁賞」も授与されます。

今回の「持永只仁」展は中国で初めてのことで、この「学院賞」と「持永只仁賞」に合わせて開催されるのでしょうが、「日中平和友好条約」発効から40年、そして日中首脳会談が行われることをふまえて、盛大な催しになるのでしょう。

持永只仁展

短期間の催しだったとはいえ、私共にとっては、大変に思い入れの深い「持永只仁展~人形アニメを通した日中友好の足跡を追う」でした。その催し実現に至る経緯はこちらで書いています。この時同様に、北京での人形展示は、東京工芸大学助教の細川晋先生と伯子さんのお嬢さま、そして伯子さんご自身の三人でされます。たくさんの人形ですので、来週早々に中国で作業を始められる予定だとお聞きしています。

私自身、こうした機会に見学できることを大変光栄に思っています。アニメ―ション作家さんやアニメーション史を研究されている方でしたら、多くの学びが得られたでしょうに私のような素人が出掛けていくことを恐縮しています。展示作業の邪魔にならないように1~5日に北京に参ります。初めて一人で行く飛行機の旅に内心不安でいっぱいです。が、伯子さんが空港まで迎えに来てくださるというので心丈夫。

中国の人々には勿論のこと、日本の方にも、持永さんのパペットアニメーションの世界を広く知ってもらえたらと願っています。伯子さんがおっしゃるように、貴重な機会だと思いますので、関心がおありの方は、ぜひお出かけくださればと思って、ここにご案内申し上げる次第です。

 

 

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