おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2019.03.13column

ドイツとイタリアからのお客様

3月8日は体調がすぐれず、私は町家に行けなかったのですが、そんな日に限ってお会いしたいと思っている人々が来館して下さり、会っておしゃべりできなかった悔しさに、地団太を踏んでいます。

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一組目は、昨年何度か下調べに来て下さり、先ごろ再来日して再訪して下さったドイツの女性映画監督エ—ファ・クノップフさん。京都市内にある「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」でのレジデンス・プログラムで招聘アーティストとして、滞在中。8日はロウミューズ・フィルムのディレクター、ロジャー・ワルッヒさん(奈良市在住のスイス人、通訳も兼ね)と一緒にお見えになり、撮影をされました。

エーファ・クノップフさんについては、ヴィラ鴨川のホームページを見ていただければ良いのですが、ゲッティンゲンで民俗学を、アムステルダムで映画とテレビ研究、カリフォルニアで修辞学と映画理論、ルードヴィヒスブルク映画アカデミーでドキュメンタリー映画監督(ドキュメンタリー映画製作)を学ばれました。2011年からベルリン自由大学映像人類学科で講師を務めておられます。

エーファさんの監督作品『Majubs Reise』(2013年)や『Myanmarket』(2017年)では、映画の断片やアーカイブ資料を用いて製作に取り組まれました。ヴィラ鴨川滞在中も、こうした手法を用いて、エッセイ映画『MOVIE KINTSUGI』を製作される予定です。日本古来の修復技法「金継ぎ」に着想を得て、断片的にしか現存しない日本の無声映画をひとつ選んで、「修復」を試みます。ただし、その映画を歴史的な存在として全面的に復元することではなく、それらの「欠片」を起点に、違う種類の様々な映像を合わせることで、過去と断続性、侘び・寂びと現代日本について、エッセイ風の映画を作ろうとされています。新作には、当館所蔵映像も用いてくださるようなので、今から仕上がりがとても楽しみです。

3月30日15時から、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川でエーファさんが『映像アーカイブの重要性』『日本人はなぜ「きれい好き」か』をテーマに発表されます。同時通訳付き、予約不要で無料。ご都合が良ければ、ぜひお出かけください。詳しくは、こちらをご覧ください。

IMG_2711 (2)エーファさんの撮影終了と入れ違いに、イタリアのミラノにあるIULM(International University of Languages and Media)大学のグィド・フェリーリ先生とその学生さんたち総勢13人がお見えになりました。「日本に学生さんを引率して来るので、その時ミュージアムに寄ります」と2月28日に届いたメールには書いてあったのですが、それが8日だったとは! おしゃべりが楽しいグィド先生と直接お会いできずにとても残念でした。おそらく、スクリーンの右端に立っておられるのがグィド先生でしょう。

グィド先生との出会いは昨年11月9日。大阪市立大学の岡野浩教授と一緒に通りを歩いていて、偶然ミュージアムの看板が目に入り、「何だろう?」と思って立ち寄ってくださったのでした。その時の様子はこちらに書きました。わずかな出会いでしたが、約束を守って学生さんたちを案内して来て下さったことが本当に嬉しいです!!!

写真は、皆さんで戦前のおもちゃ映画をご覧になっている様子。

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もともと無声映画のアニメーションなので、言葉がなくても面白くご覧いただけた様子が表情からも伺えます。

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おもちゃ映写機の体験もしてもらいました。昨年グィド先生が来られた折にお聞きしたら、イタリアにおもちゃ映画や映写機はないそうです。今のところ海外からのお客さまで「あった」という声はアメリカのみですね。チャップリンの映像を教会のチャリティーで用いて慈善事業に充てていたという話ですが、30秒から長くても3分程度という短いフィルムを切り売りしていたのは、日本だけかもしれません。

2月10日の「北山清太郎」トークイベントでの新美ぬゑさんの発表を聞いて、1917(大正6)年に施行された「活動写真興業取締規則」によって、14歳以下の子どもたちが劇場へ入場が禁止されたことも、おもちゃ映画が日本で愛好された理由ではないかと思いました。この規則実施前は、浅草に置ける児童客の割合は2割程度もあったそうです。子どもや親子連れを呼び込むためにアニメやチャンバラも喜んで見られていたことでしょう。それが子どもに見せられないとあっては残念だし、子どもも見られないのは悔しいと思ったでしょうから、その欲求を満たすためにおもちゃ映画として、映画館で上映された映像だけではなく、新たにおもちゃ映写機用にアニメーションが作られたのではないかと思うのです。ひょっとしたら玩具メーカーの商売上の要望に応えて、この規則の年齢が決められたのかもしれ知れないなぁとも思います。

ともあれ、イタリアの学生さんたちにも喜んでいただけたミュージアム見学でしたが、いつもの集合写真を添えることができずにいます。グィド先生が、後日送ってくださるそうなので、届き次第ここに掲載することにしましょう。改めて、遠くドイツやイタリアからお越しいただいた皆様、お訪ねくださり誠にありがとうございました‼

 

 

 

 

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