おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2019.11.18column

11月17日の印象深いお客様

11月14日から始まった「映画古本市」。主催者よりも、見ている私の方が「初日朝に行列ができていたらどうしよう?整理券を発行しようかしら?」「業者の人が買いに来られて、一気になくなってしまったら、どうしましょう?」等と考えてドギマギしていましたが、現実は落ち着いていて、それらの想像は全て杞憂に終わりました。皆さん、静かにページを繰りながら、古書散策を楽しんでおられます。

丁度「映画の復元と保存に関するワークショップ2019 in KYOTO」が15日から始まり、それに参加する前に訪ねてくださる方々もおられました。中でも嬉しかったのは、北九州の松永文庫の学芸員さん。昨年10月に松永武さんがお亡くなりになって、残念に思っていましたが、市の施設として今も活動を展開されていると伺い、良かったなぁと思います。松永文庫のことは新聞で読んで知っていて、いつか機会があれば訪ねてみたいと、ずっと思っていましたので、出会えたことを本当に嬉しく思いました。

ご存じの方も多いと思いますが、「松永文庫は若いころに映画監督を目指した松永武さんが収集した映画・芸能関連の資料を、平成9年に門司区の自宅で無料公開し誕生しました。平成21年にこれらの資料をすべて北九州市に寄贈し、現在は旧大連航路上屋で展示しています。常設展に加え、企画展や映画上映会も人気です。松永文庫の特徴は、映画俳優を含む芸能全般に関わる人たちの『生き方』に力点を置いて関係資料を収集していることです。ポスター、パンフレット、劇場プログラム、シナリオ、書籍、新聞スクラップなど、その資料数は5万点以上にも及びます。」以上は北九州市門司区のWEBサイトからの引用で。

私も以前職場で新聞7 紙のスクラップをして資料作りをしていたことから、その手間の大変さを知っているだけに、どうされているかと尋ねたら、相変わらず各紙を切り抜いて資料作りをされているのだそうです。初対面なのに、こんな話をしているととっても親近感を覚えました。たくさんの本もお買い求め頂きました。

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香川県高松市からお越しのこの方は、以前別の催しにも来てくださっています。前日の徳島の人もおっしゃっていましたが、四国から関西はさほど遠く感じず、気軽に来れる範囲なのだそうです。四国では、映画館で名画を見る機会がないので、大阪や京都まで見に来てくださり、その足でうちにも立ち寄ってくださる有り難い人々もおられます。

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残念ながら、これは既に終わっていますが、素晴らしいプログラムです。彼にお見せしたら、ご存じじゃなくて。いつもそうなんですよね、チラシを作っても、欲しい人の所に、欲しい情報がなかなか届かない。このもどかしさ。このような魅力的なプログラムなら、「四国旅行を兼ねて無声映画を見に行く」人もおられるはず。第2回だそうですが、第3回、第4回と続けて貰いたいですね。この取り組みに魅せられて、シネマルナティックさんに電話して、うちのチラシを置いて貰うことにしました♪

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話を戻して、彼は2016年大阪九条のシネヌーヴォーで「芦川いづみ映画特集」を見て、芦川いづみと共演した轟夕起子が好きになったのだそう。この古本市主催者の山口博哉さんが、轟夕起子研究をしていると伝えると、早速山口さん手作りのリーフレットを手に写真に収まってくださいました。

それから、長い時間私の話を聞いてくれた京都造形芸術大学映画学科の学生さん二人も良い出会いでした。前日にも同じ学科の女子学生さんが来館。映画制作を志す若者は、どちらかと言えば新作に目が行き、古い映画を見て学ぼうという子ども達が少ないように常日頃感じていたので、彼らの来訪をとても嬉しく思いました。いろんな話を興味深く聞いてくれて、それがまた嬉しくて。

DSC02187パテ・ベビー映写機の説明をしていて、つい10月31日映画の撮影現場を見学した時の話をしたら、その男子学生さんが「僕もそこにいたんですよ」と言うので、びっくりポン。私が行った前日30日にも、現場で美術の仕事を手伝っていたのだそう。大道具さん、小道具さん、汚しの専門家さん、いろんな人が活躍してあの見事としか形容ができないセットが組み立てられたのだと改めて感心しながら、彼の話を聞きました。もちろん、彼は大学を出たら映画の仕事をするでしょう。

そして、もう一人の女子学生さんは女優さんを目指しているのだそう。綺麗な方でした。撮影現場で見た主役の蒼井優さんが、慣れた手つきで、パテの映写機にフィルムをかけておられるのを見て、不器用な私は「女優さんは凄いなぁ。役に応じてどんなことでもやってのけて」と感心した話をしながら、「連れ合いは『女優さんは根性が違う!』と言っていたけど、あなたはどう?」と聞けば、「負けず嫌いですね」と返ってきました。二人には、「あなたたちがビッグになってしまったら頼めないだろうけど、ちょっと有名になった頃に、そして、このミュージアムがまだ存続していたなら、映画美術の話や俳優の仕事について、ここで話して欲しい」とお願いしました。二人は、はっきりと「ハイ」と返事してくれました。二人の目は、キラキラ輝いて、希望に満ち溢れていました。素敵な出会いでした。

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