おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2020.01.16column

始まりました、「没後30年記念アニメーション作家 岡本忠成 ミニ資料展」

岡本忠成展(改訂)A - コピー

昨日から、「没後30年記念アニメーション作家岡本忠成 ミニ資料展」が始まりました。貴重な資料を快くお貸しくださった奥様のさと子さんに心より御礼を申し上げます。これまで作品上映会は関西でもありましたが、資料を展示するのは関西で初めてのことだそうです。

照明の数も増やし、絵コンテやパンフレット、作品販売用チラシなどは展示するだけでなく、複写してファイルにしましたので、自由に繰りながら「岡本忠成の世界」にゆっくりと浸ってくださればと思います。

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オープン最初のお客様は、昨年第41回ぴあフィルムフェスティバルグランプリ受賞者の中尾広道さん。作品タイトルは『おばけ』(64分)。手にしておられるのが、PFF公式カタログ2019の10ページ。うちも作品に少しばかり協力した縁で、DVDをプレゼントして貰いました。手作り感満載の作品を観ていると、「岡本忠成展」を目的に来てくださった意味が分かるような気がしました。

コツコツと手作りしながら、永遠の輝きを詰め込んだ映画への愛は、岡本さんと共通するものを感じました。彼の場合は「可能な限り、自分一人でつくるスタイル」で貫いていますが、岡本さんの場合は、背後の写真にもあるようにスタッフと一緒に映画への愛を紡ぎ続けて、その結実した作品の数々は、今もなお観るものの心に感動を与えています。中尾さんにも、彼なりのスタイルで、『船』(2015年)、『風船』(2017年)、そして『おばけ』(2019年)に続く、第4作、第5作…と紡ぎ続けていって欲しいと期待しています。

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『メトロポリタン美術館』『水のたね』『モチモチの木』で使用された半立体の人形たちの一部は裏を展示しています。どのように手足を動かせるようになっていたかが分かります。上段には絵コンテを並べています。さらにその上には、『水のたね』で用いられた布を展示。それらを食い入るようにご覧になりながら、中尾さんは、これからの作品のヒントになれば、と学んでおられるのでしょう。

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右壁面には、今回が初公開となる月刊ベルマーク新聞に連載された『子どもの四季』挿絵原画を並べました。ベルマーク教育助成財団様にもご協力をいただき誠にありがとうございました。

1978(昭和53)年7月から1980年3月まで毎月10日に連載された20回分の新聞記事のスクラップを自由にご覧頂けます。連載は絵と文で構成され、子どもの頃の日常的な景観や出来事を思い出しながら、優しい筆致でかいておられます。

改めて、スクラップをめくりながら読むと、1978年7月10日付け①「やんま捕り名人」の後半部分に「(略)幸い野井戸の中は水がなかったが、さすがの庄平も気でも失ったのか、井戸の縁からのぞきこんだ伸二が『おーい、大丈夫か?』と声をかけても返事はなかった。(略)」とあり、スクラップブックに貼ってあった1枚の挿絵が、このために用意されたものだと、今頃漸く気付きました。

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連載で使われなかった挿絵ですが、連載開始第1回目に準備と気合い充分に臨まれた岡本さんの姿勢が覗かれて、それも興味深いです。

ぜひ実物を見に入らしてくださいね。お待ちしています!!!!!

 

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