おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2022.05.31column

長崎新聞5月25日付けに、当館が所蔵する戦前の長崎市内を映した映像について大きく記事掲載‼

5月24日付け長崎新聞に 大きく当館所蔵映像について掲載していただきました。今日その紙面が届きましたので、早速ご紹介します。

こちらが、1面の記事。

そして、こちらが10面掲載記事です。こんなに大きく報道していただけるとは想像もせず、大変驚きました。それぐらい原爆で破壊される前の長崎市内を記録した動画が珍しいという証左と言えましょう。浦上天主堂も写真はあれども、動画は他に2点しかないというので貴重な映像資料です。

発端は昨年購入したフィルムスキャナーから。早速使ってみようということで、手元にあったフィルムをスキャナーでデジタル化してみました。それまでは、稼働する9.5ミリの映写機で映写しながらカメラで撮影してデジタル化していました。今回報道していただいたフィルムの寄贈者である長崎県雲仙市の菅典義様へも当初はその映像をお送りしていたのですが、フィルムスキャナーの方が劣化が進んだ状態でもスキャンして保存できることが分かってきて、再度フィルムスキャナーでデジタル化に挑戦。菅さんご自身、今回の報道を受けて二つを見比べて、その精度が上がったことに驚いておられました。

ともあれ、フィルムスキャンしている様子を撮影して当館のYouTubeで公開しました。昨年の10月13日のことです。「原爆で倒壊する前の浦上天主堂が記録されている」と貴重な映像だと紹介したのですが、力不足でさほど広がらず…。今年になって別の用事で訪ねてこられた京都新聞の記者さんに伝えたところ、興味をもって下さって早速5月1日付け記事で紹介してくださいました。その記事についてはこちらで書きました。パテ・ベビーフィルムは、1922年フランスのパテ―社で誕生した幅が9.5ミリで、コマとコマの真ん中にパーフォレーション(送り孔)がある珍しい規格です。今年は、パテ・ベビーが誕生して100年の祝祭年です。

早速ネットの配信記事でフィルムの存在を知った長崎ケーブルメディアさんから声がかかり、映像をお送りしたところ、5月24日に前編、6月2日に後編として放送されることになりました。今回の長崎新聞で映像分析と解説をされている長崎平和推進協会写真資料調査部会会長の松田斉様が同ケーブルメディアの番組「なんでんカフェ」でも解説をされています。長崎新聞記者の三代直矢記者によれば、松田さんは原爆関連の写真資料に詳しい第一人者だそうです。視聴可能な方は、ぜひご覧ください。他にも長崎放送や県立長崎図書館郷土資料センターさんなどからも問い合わせがありました。長崎の方の関心が高いようですので、近いうちに今回お送りした映像約15分を当館のYouTubeで公開しようと思います。

寄贈いただいた菅様からのフィルムは、劇場で公開された後でパテ・ベビー版として家庭用に再編集されたフィルムが多かったです。それらについては映画祭で活弁と生演奏付きで上映したり、当館の正会員やサポーターになってくださった方にプレゼントする特典DVDに収録した作品もございます。こうした映像の中に、ホームムービーも含まれていたわけで、今後もフィルムスキャナーでデジタル化して、地域の資料として活かせる映像が見つかればお知らせいたします。

先日も、たまたま私が写った毎日放送の番組をご覧になって、お手元にあった16ミリフィルムとそれを見るための映写機を寄贈して下さった方がおられました。そのうちの1作品は、内田吐夢監督、大河内傅次郎主演の『仇討選手』(1931年)の断片でした。もともとは115分の長さだった作品ですが、それまでは当館にある35ミリフィルムの「おもちゃ映画」1分しか残っていませんでした。けれども、寄贈いただいた16ミリフィルムには、これまでなかった映像が含まれていたので、早速再編集して1分半の映像にしてホームページで公開しました。YouTubeでもご覧になれます。昨日はアメリカの研究者から、この「『仇討選手』について調べているから、日本に来た時に寄りたい」とメールが届きました。来日までに、わずか30秒でも長く楽しめる映像を保存できたことは幸運でした。

このようにまだまだ日本のお家には古いフィルムが残っていると思われます。今回の長崎県での報道が契機になって、他にも貴重な映像が見つかって次世代に残せるようになれば良いなぁと願っています。フィルムは生ものなので必ず劣化します。見られなくなる前に救出したいです。何卒ご協力を宜しくお願いいたします。

【6月16日追記】

YouTubeで、上記の約15分の記録映像を公開しました。

こちらをクリックしてご覧ください。この映像が広く地域資料として活用いただけたら嬉しいです。映像をご覧になって、何かお気づきのことがございましたら、ぜひご連絡下さい。

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