おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム
Toy Film Museum

2017.07.30column

長崎県の方から、9.5ミリ映像と映写機などを寄贈していただきました

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7月27日、長崎県雲仙市の菅さんから段ボール箱5個口で貴重な品々が届きました。家を建て直すために倉庫を整理しておられたら、お父様が使用されていたパテ・ベビーの映写機やフィルムが見つかったそうで、ありがたいことに当館に寄贈を申し出てくださいました。もちろん即答でお受けしました。パテの撮影機と映写機、8ミリの撮影機も含め、9.5ミリフィルムは全部で30本もありました。内容はこれから調べますが、海外のドラマやコメディ、時代劇やアニメーション、ニュース映像、それにホーム・ムービーと多岐にわたります。

パテ・ベビーは、1923(大正12)年に日本でも販売され、戦争が泥沼化する1935(昭和10)年頃まで、裕福な家庭で広まりました。もちろんサイレント映画ですが、その時代の歴史が詰まっています。今回のホーム・ムービーでも、家族の記録だけではなく、「海と山」というタイトルで、自主製作されたらしい映像も含まれていました。もちろん、缶やフィルムの冒頭を見ての判断で、内容までは分かりませんが、少年や赤ん坊も映っていますから、きっとこども時代のご自分との再会があるかも知れません。少しずつ簡易のデジタル化をして、見られるようにしたいと思っています。寄贈していただいた菅さんには、少し時間をいただければ、少しずつ、DVDにしてお送りすると約束しました。

チャップリンの映画が3本ほどありました。缶には「チャップリンの自動車競争見学」、「チャップリンの消防夫」とあり、もう1本は「チャップリンの活動屋、あるいは舞台裏(The Movie Making)」のようです。今年4月16日に初開催した「チャップリン・バースディ・イベント」と同様に、生伴奏付でこれらの作品を上映し、来年のチャップリン誕生日を祝いたいと思います。

内田吐夢監督の「漕艇王」のフィルムもありました。すでに見つかっているのですが、2巻もので、より完全なものかもしれません。アニメーションには、「猿蟹合戦」や「一寸法師」の映像がありました。4月から「にっぽんアニメーションことはじめ~『動く漫画』のパイオニアたち~」展に協力したことから、国産アニメ―ションのパイオニアの一人、北山清太郎のものでないかと期待値MAXでしたが、残念ながら、そこまで古いものはないようです。折りをみて内容を確認しながら、皆さまにもご覧いただけるようにしていきたいと思っています。

寄贈いただいた撮影機について、シングル8は今フィルムがないので使えませんが、スーパー8はコダックのストライクスというフィルムが使えるので、いつかまた8ミリフィルムの撮影から現像、そして上映までのワークショップをやってみたいです。

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これは、寄贈いただいた中にあった「猿蟹合戦」のSPレコード。前述のように9.5ミリのフィルムにも「猿蟹合戦」(オリエントレコード)がありましたので、同期して聴いておられたのかと思いましたが、2種類あったレコードはいずれもコロンビアレコードから発売されていたもの。どうやら別もののようです。濱口錦成の語りのものと、島廼家勝丸(1904-1986)の語りのもの。島廼家勝丸は、街頭紙芝居の説明者・原作者として知られていたようです。目を閉じて聴き入ると結構楽しいです。当時の子どもたちも喜んで聴き入ったことでしょうね。

菅さま、本当にありがとうございました。有効に活用させていただきます‼

 

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