おもちゃ映画ミュージアム
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Toy Film Museum

2018.05.23column

才能あふれる若者たち

DSC04995 - コピー (2)5月21日東京から5回目の来館いただいた岡村峰和さん。彼女と話していると、キラキラしていてとっても楽しい。この日は19時半から、大阪のロフトプラスワンWESTで開催される「自撮り映画祭」で、出品した新作が上映されるそうで、その前に立ち寄ってくれました。今検索したら、その作品だろうと思われる「先祖との遭遇」がYouTubeに21日付けでUPされていました。全てiPhoneで自撮り。手軽に自己表現できる時代になったのですね。

東京藝大美術学部絵画科油画専攻をこの春卒業して、どこへ進むことになったのか気になったので尋ねたところ、卒業制作で忙しくて、大学院を受けることすらできずじまいに終わり、泣いたそう。「えっ‼」と絶句。初来館の時「大河内伝次郎の映像が見たい」とリクエストされて驚きましたが、子どもの頃から古い映画、とりわけ時代劇が大好きで、「時代劇を撮りたい」とずっと言い続けておられます。「時代劇なら京都だろう」ということで、京都の大学の大学院を受けるのだろうと本人もご家族も、大学の先生も、そして私さえも思っていたので、何とも、惜しい。

油画作品「人間五十年」(2015)は、さすが‼の素晴らしい作品で、織田信長が幸若舞を踊っている様子を描いています。時代劇を研究しながら、こうした絵を描くうちに、実際に時代劇を撮りたいという思いが昂じてきて、そうして作った短編映画「タイムトリップ日本」(2016)は、上野芸友賞を受賞。もともと美術が得意なので、それらは手作りし、脚本も全て自己流で書き上げて、もちろん監督も。写真で手にしているのが卒業制作の「鷺男」(2018)。「日本人と海外の人の時代劇を見る眼は、異なっていると思う。海外の人が見て面白いと思って貰えたら、日本でも見てもらえるようになるかもしれない」と作品には、英語字幕入り。最初から海外に目を向けているのが、素晴らしい。「あなたに届け!」と応募し続けているそうです。どこかの映画祭がキャッチしてくれることを私も祈っています。

若い女性が「時代劇を撮りたい」というだけで十分興味深く、他にそういう希望を語って聞かせてくれた人物を私は知りません。架空の「峰丸プロダクション」を拵えて、積極的に作品を作って発表しているのが、たくましい。同じように感じた若手監督さんから声がかかり、何と8~10月にテレビで放送されるホラー番組10作品の1話を監督し、別の1話では脚本を担当することになったのだそうです。監督と脚本家デビューという驚きの展開に、拍手‼ 何という強運かと思います。放送日が待ち遠しい。「いつか、ミュージアムで『鷺男』ほか作品上映会をしようね」と言って、大阪へ向かう彼女を見送りました。大きく羽ばたいてほしい、若き才能です。

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そして、今日5月23日に2度めの来館をしてくれたジェイソン・コディ・ダグラスさん。昨年10月19日に来館の様子はこちらに書きました。アメリカのイェール大学大学院で今論文執筆中。何の論文かと聞いてビックリ。日本と中国において人形アニメーションの基礎を築いた持永只仁さんに関心を持っていて、近日ご遺族の伯子さんに会う予定だとのこと。そういえばつい最近伯子さんから「二人の海外の研究者からアプローチがある」と聞いたことを思い出しました。そのうちの一人が、ジェイソンさんだということがわかり、彼自身も持永伯子さんと私とのことをご存知じゃなかっただけに、双方驚きました。写真は、持永さんに関する資料をご覧になっている様子。毎年夏に日本に来ているそうなので、研究成果をぜひ発表して欲しいと依頼しましたら「もちろん、頑張ります」と彼。

アメリカでは、日本のアニメは「鉄腕アトム」から始まったと考えられている傾向があるそうですが、「鉄腕アトム」以前にも優れた作品があることをもっと知って貰いたいと思って、研究を進めているそうです。久里洋二さんへの関心も話しておられました。海外の研究者が持永只仁さんに注目して研究成果を発表してくだされば、再評価に繋がり、多少なりとも縁を得た私としても、本当に、本当に嬉しいです。この若い才能にも喝采を贈ります。

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お土産に貰ったイェール大学の鉛筆とマグネット。もったいなくて使えませんね。

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幻燈機に興味があると話しておられたので、昨年夏の錦影絵ワークショップの様子や3月の英国製ミニシネの様子をご覧いただきました。タイミングよく、貸し出していた幻燈機3台が戻って来ました。詳しくは言えませんが、この幻燈機、良ければ覚えていてくださいね。 

 

 

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